2018年4月24日 1:01 JST
抜かりのないプレーを目指す投資家は、大谷翔平選手のようなパフォーマンスを見せてくれる資産に目を向けるべきだと、モルガン・スタンレーの首席クロスアセットストラテジスト、アンドルー・シーツ氏は提唱する。

  大リーグのロサンゼルス・エンゼルスで投打ともに活躍が目覚ましい大谷選手(23)。「二刀流」の活躍はベーブ・ルースら伝説的なプレーヤーに例えられる。大谷選手にみられる攻守能力の融合こそ、変動性の高い今の市場を乗り切るために投資家が追求するべきものだとシーツ氏は22日付のリポートで論じた。


  大谷選手の価値が高い理由として、「点を入れる能力と、相手チームに点を入れさせない能力の両方があり、しかもシーズン全般でそれが期待できることだ」とシーツ氏は分析。「攻撃と防御の両方を備えている」と続けた。今年は1−3月にボラティリティーが戻ったため、カーブを投げられた投資家は逃げ場を失った格好であり、本当の意味での多様化は難しくなったと同氏は説明した。

  モルガン・スタンレーは世界の株式相場との相関性が低くて安定しており、保有もしくは新規の買いが過去との対比で割高ではなく、ストレスの高い時期でも良好なパフォーマンスが期待できる資産をリストアップした。「効果的なディフェンスと同時に、全体的なポートフォリオではオフェンスも可能にする」資産だとシーツ氏は指摘した。

  大谷選手は一世代にひとりの逸材かもしれないが、投資家にとっては大谷的トレードの候補は複数に広がっている。

S&P500種と高利回り債ボラティリティーのロング
銅ショート
公益株ロング(S&P500種に対して)
米ドルに対しオーストラリア・ドルのショート
  「攻撃を犠牲にしない守備というのは、めったにない」とシーツ氏。「大谷選手の成功を祈る。ただ、マリナーズが相手の時は例外だ」と付け加えた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-04-23/P7N9P26JIJUS01