兵庫県宝塚市の中川智子市長が19日、東京都墨田区の日本相撲協会を訪れ、「土俵上は女人禁制という伝統に基づく方針について、見直しの議論を始めること」など、土俵上の女人禁制見直しを盛り込んだ要望書を提出した。

受け取った芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は理事会で検討するとしながらも、「私たちの伝統、文化はそんな簡単に左右されるものではないと思いますよ」と慎重な姿勢を見せた。

 同市長は今月6日に宝塚市で行われた大相撲春巡業において、土俵上であいさつをすることを事前に協会に断られ、巡業当日は土俵下から「来年は土俵上であいさつしたい」などと持論を展開。そして、「言った責任として議論してほしいと伝えに来た」とこの日、行動するに至った。

 芝田山親方によると、約30分間の話し合いでは、同市長から「土俵には神様いないんでしょ?巡業は単なるイベントなんでしょ」と言われたという。相撲を始めた頃から女性が土俵に上がれないと聞いて育ってきたという親方は「巡業は前日から(土俵の)お祭りをして(巡業当日)朝から土俵にお相撲さんが上がる。(そういう)伝統の中に“しょっきり”や“甚句”、“幕の内の土俵入り”がある。これはイベントではない。私たちはそう思ってやっています」と反論した。

 ただ一方で、「分かってくれと言っても、分からないのが普通だと思う」と同親方は言う。中川市長は6カ月間の期間を設けて協会側の返答を待つ意向を示しており、納得できない回答だった場合には再び協会を訪れることを明らかにしている。

これに対し、芝田山親方は「3カ月後でも半年後でも来るなら来てください。公費で来たのであれば、宝塚市民のみなさんに感謝しなければならないですね」と歓迎ムード。「先人から受け継いだものを後進に引き継ぐ」ことで守られてきた伝統文化。同親方は「たくさんの方に親しまれる形で巡業は行っていきたい」と話して締めた。

2018年4月19日 17時39分
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