“怪物”清宮幸太郎(18=北海道日本ハムファイターズ)のお披露目が前倒しされそうだ。そして、その影響は他球団にも及ぶとされている。

「二軍戦で20〜30打席を経験させ、それで慣れてくれば一軍に昇格させようという雰囲気です」(球界関係者)

 清宮は限局性腹膜炎でチームを離脱し、本格的な練習を再開させたばかりだ。4月10日の西武戦では「5番・DH」で先発出場したが、快音ナシ。「レベルの高い一軍ではまだ通用しないのでは?」との印象を抱いたファンも少なくなかった。

 しかし、チーム関係者はそうは見ていない。“爆発”は近いと予感したという。

「(ヒットが出ないのは)タイミングの問題。ちょっとしたズレ、20打席くらい立てば修正できる」

 たしかに、同日試合前の打撃練習では面白いようにボールをスタンドに叩き込んでいた。打撃練習でいくら快音を響かせても、実戦で結果が出なければ何の意味もない。しかし、打撃練習では「自分の間」でバットを振れる。その飛距離からして、一部メディアの「木製バットに適応できていない」の指摘も正しくはないだろう。
「高校時代に使っていた金属バットとは違い、木製になれば多少は飛距離も落ちます。清宮はそのギャップが埋められないんです。金属バットを使っていたころと同じ飛距離をイメージしているから余計な力が入ってしまう。それでタイミングの取り方がおかしくなってしまったんです」(前出・同)
 日ハム以外のプロ野球関係者も早期一軍昇格を予想していた。「本拠地札幌ドームでの連戦が始まる4月20日だろう」「GW中の5月2日の本拠地5連戦」などが有力視されている。栗山英樹監督(56)は「結果が出ないのに(一軍へ)上げるというのは、プロ野球の世界ではない」(13日)と厳しい言い方をしていたが、結果が伴えばいつでも昇格させるとも言っているわけだ。

「他球団が日ハムの二軍戦を注視しています」(ベテラン記者) しかし、清宮に関するデータ収集だけが目的ではなさそうなのだ。

「日ハムは戦力の重複を嫌うチームでもあります。余剰戦力は持たない主義で、清宮が一軍戦力になるメドが立つのなら、同じタイプの選手はいりません」(前出・同)
 日ハムには“清宮に似たタイプ”の若手が何人かいるのだ。まず、ポジションがかぶるのが3年目の横尾俊建(24)。本職はサードだが、出場機会を得るため、一塁や外野の守備もこなしてきた。右バッターという点では清宮と異なるが、「将来の大砲候補」として獲得した経緯から考えると、重複する戦力だ。
 また、昨季の二軍・本塁打王の森山恵佑(23=外野手)も重複する。同じ左打ちのパワーヒッターである。今季オープン戦で必死にアピールしていたが、一軍の打席にはまだ立っていない(同時点)。清宮昇格後、彼らが余剰戦力となる可能性も高いだけに、他球団は注目しているのだという。

「年長のプロ野球解説者が朝の情報番組で『清宮厚遇で、チームの雰囲気が良くなかった』と発言しました。自分はそうは見えませんでしたが、チャンスに飢えている若手も多く、清宮の育成方針は実戦のなかで育てていこうというもの。試合に出られない若手は悔しいと思っているのでしょう」(前出・ベテラン記者)
 本拠地デビューでひと儲けしようという営業サイドの都合が優先された場合、日ハムは崩壊してしまうかもしれない。清宮をもっともかわいがっているはずの栗山監督が厳しい言い方をしたのは、不満もうごめくチーム事情もあったからではないだろうか。
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