W杯の実質的な準備期間が3週間強と、残された時間は少ない。だが、欧州と世界で戦ってきた岡崎は、その限られたなかでも100%の集中で臨むことが大事になると話す。

「『ただ蹴る』『ただつなぐ』という議論はもう遅れているかなと。『すべてをやる』というわけではないけど、タイミングとか、そういうものもプランを緻密に練るというか。

 極端なことを言えば、最初の45分や65分は、ほんとに守って、ラストの20〜30分で1点を獲りにいくとか。そういう進め方もあるかもしれない。『W杯は別モノ』と考えるべきだと思うんですよね。あそこには魔物がいると思う。自分たちの理想を掲げても、それをさせてもらえない何かがあるので。

 あとは、結果が出るかどうかは、もう自信の部分だと思う。代表に選ばれた選手は、チームとして『結果を出しにいく』と信じて戦うべき。誰が選ばれるかわからないし、選ぶ側も難しいと思うんですけど。でも、むしろ今は全員にチャンスがあると思う。

 そして、選ばれた人間は、同じ方向を向いてサッカーをするしかない。日本もブラジルW杯で反省した部分がある。つなぎたいというより、みんな勝ちたいと思うので。だから、『勝つために何をしていくのか』になると思います。どんな状況にしろ、勝つことに全力を尽くす」

 W杯開幕まであと2ヵ月──。レスターでの岡崎の今シーズンも残り5試合となった。

 14日のバーンリー戦では先発出場を果たしながらも、レスターは前半だけで2ゴールを献上。チームの低調に引きずられるように、岡崎も見せ場を作れず、前半だけで交代を命じられた。「残り5試合で自分がもっと、このチームを助けられる存在であることを証明しないと。今日みたいなプレーをやっていたら、やっぱりいつまでたっても、この状況を抜け出すことはできない」と本人も危機感を強める。

「今、試合に出られるか、出られないか、微妙な立場になりかけている。結局、チームが今うまくいっていないから、自分も交代させられるというリスクがあるなかでやっている。だから、いまいち思い切れていない部分がある。それを取っ払えれば、まだまだ自分にもチャンスはある。前を向いて勝負を仕掛けたり、思い切ってやる。そして、自分のプレーに集中することが大事になる」

 はたして、ここから岡崎はレスターでさらに活躍し、代表に復帰できるか――。岡崎も日本代表も、まさに正念場である。