>>411
・京貴族の属性をもつシティーボーイ頼朝(京を懐かしみ笙を奏でる孤独な青年)と対比された、野駆けする伊豆の豪族の娘カントリーガール政子。
・未来の尼将軍を彷彿とさせる胆力(将来像の遡及)。
・最後の壮大な夢(海の底にも都はございましょう)を抱いて海に沈んだ、元源氏物語ヲタにして夢見る少女平時子(文官平氏系貴族の娘)
と対比された粗野なカントリーガールにして野生児。

こうした緻密な対比構造の下に設計された政子に杏はピッタリだった。

失意のどん底に沈んだ頼朝であったが、、政子の檄によって再び生命力を付与され、以後、東国武士性(←義朝が東国修行で獲得し、
鳥羽近臣となって獲得した京貴族性は、次世代で前者は義平、後者は頼朝へと分裂した。これが流人頼朝の元で再統合されていく)
を急速に身につけて逞しくなっていく。鎌倉殿は、言ってみれば未来の尼将軍が頼朝の尻を叩いたことで誕生したのである。
平氏と逐一対比させた構造的な源氏三代の足跡のフォローといい(平氏が上昇すれば源氏は凋落。最終盤は真逆展開〜
鹿ケ谷回の時、2人は結ばれた)、その中での頼朝と政子との関係性の展開といい(清盛大河だというのに)、実に見事な源氏パートであった。
その功労者の一人が杏だ。

>>435
質量ともに圧倒的な清盛を経験してしまうと、歴史物語としての新平家の貧困さを否応なしに実感してしまう。そっとしておいてあげたほうが良い。