連載【ハリル解任と日本代表の運命】


なぜ、西野朗・日本サッカー協会(JFA)前技術委員長(63)が、ハリルホジッチ前監督の後任に指名されたことに異議を唱える人がいないのか。

西野新代表監督は2016年3月、JFA技術委員長に就任したが、「オレは現場主義。背広なんて似合わない」とぼやいていた。「まさか西野さんが技術委員長を受けるとはねぇ……」と周囲もいぶかったものの、やはりカラクリがあった。

Jリーグ監督歴17年の西野技術委員長がチームに帯同していれば、「海外遠征の際などハリルが倒れても代役として立てられる」というメリットがある。あくまで“次期監督含み”の技術委員長就任という意味合いだったのだ。

いずれにしても一大ブランドである「代表監督の椅子」に座ることになった西野新監督は、15年シーズンのJ名古屋監督を最後に現場から離れている。世界のどこに丸々2年もピッチから遠ざかっていた人物を代表監督に据えるような国があるのか?

代表監督経験ゼロ。しかもW杯本大会の2カ月前という時期にだ。究極のデタラメ人事というしかないが、ハリル前監督の解任理由を探っていくと答えは出てくる。サッカー関係者が言う。

「ハリルさんはロシアW杯最終予選突破後、新戦力を試したいと言ってFW本田、FW岡崎、MF香川のビッグ3を外すようになった。知名度の高い3人がいなくなって注目度は低下。テレビ視聴率も低迷するようになった。
キリン、アディダスの2大スポンサー、取り仕切っている大手代理店などの間で『ハリルはW杯本大会のメンバーからもビッグ3を外しかねない』と不安と動揺が広がり、解任に向けた動きにつながった」

西野新監督は12日の就任会見で、「フラットな状況で考えたいが、ベースとなる選手は変わらない」とコメントした。

「西野監督の頭の中はほぼ固まっている。何よりも実績と経験重視のメンバー選考です。GK川島、DF長友、MF香川、FW本田、FW岡崎のビッグ5をチームの骨格に据え、
23歳の新鋭FW中島、W杯最終予選でゴールを量産した26歳FW原口といった選手と組み合わせながらチームをつくっていく。

あとテレビ局やスポンサーや大手代理店、一般のサッカーファンを驚かせるサプライズも考えている。FC東京に所属する天才16歳MFの久保建英をメンバー入りさせるプランです。
メッシ2世と呼ばれる天才プレーヤーの代表入りは話題性十分ですから」(サッカーライター)

ハリルホジッチ監督の解任は、結果としてJFAがテレビ局やスポンサーや大手代理店の意向をくんだから。後釜の西野新監督が彼らの意に沿うタイプの指揮官なのは当然だし、周辺から異議など出るはずがない。
そんな西野新監督だからこそ、テレビ局やスポンサーを喜々とさせるサプライズ起用もあり得るというのだ。

4/15(日) 9:26配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00000011-nkgendai-socc

写真
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