4月8日に放送されたNHKの大河ドラマ『西郷どん』は、平均視聴率が13.0%だった。前週に放送された特別番組『西郷どんスペシャル 〜西郷どんと斉彬 密着120日〜』の同9.7%に反して大幅にアップしたが、初回放送からここまで期待されたほど視聴率が伸びておらず、苦戦を強いられている。


「第1話は15.4%を記録しましたが、その後はずっと10%台前半で低迷しています。大河ドラマの場合は50話まで続く長丁場なので、後半になるほど視聴率は落ちていく傾向にあるのですが、いまの段階でこの視聴率はNHKとしても計算外だったでしょう。実際、前作の『おんな城主 直虎』や前前作の『真田丸』に比べると、明らかに数字が取れていません。本編を1回休んでまで、第12話と13話の間に特番を入れたのは、番組宣伝をおこなってテコ入れをするためです。しかし、その特番が9.7%だったのですから、完全に失敗だったと言えるでしょう」(テレビ雑誌編集者)


西郷どんは本来、全50話のところ47話に短縮し、カットした3話分を特番に振り替えるといい、今後も同じ放送枠で特番が放送される予定だ。しかしながら、連続ドラマのあいだにストーリーと関係のない特番を放送したことで、インターネット上では《NHKの必死なまでの番宣は何とかならないのか》、《公共放送が番宣って何だか違和感がある》などの否定的な意見が投稿された。

番宣に力を入れすぎているNHK

「確かに、ここ最近のNHKは番宣にかなり力を入れています。3月10日の『ブラタモリ』では、タモリが鹿児島を訪れ、西郷どんの子孫と遭遇するシーンが放送されましたが、明らかに大河ドラマに誘導するための回だったため、ネット上では熱烈なブラタモリファンからも批判的な意見が出ていました。また、平日の午後に放送されている『ごごなま』などの別番組では、西郷どんに出演している高梨臨や『ドランクドラゴン』の塚地武雅が登場し、熱心に番組をアピールしていました。このなりふり構わぬNHKの姿勢に違和感を覚える視聴者が多いのでしょう」(同・編集者)


NHKは過去にも、上田良一会長が記者会見で報道陣から見直すべき番組について質問された際、「『民放でもないのに、NHKは宣伝が多過ぎる。何であんなに宣伝を入れるんだ』と言われた」と語っている。また、1月21日夜には、前日に放送済みの『奇跡のレッスン』(NHK BS1)の宣伝を2分間にわたって放送するという失態も演じている。

より多くの視聴者に番組を見てもらいたい気持ちは分からないでもないが、やり過ぎは逆に視聴者離れを招く可能性があることをNHKはどこまで理解しているのだろうか。

2018年04月12日 07時00分 まいじつ
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12156-48805/