サッカー日本代表・西野新監督誕生の舞台裏 “フィクサー”岡田氏の陰 本田と香川の冷遇に大ブーイングのスポンサー

 サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が9日に電撃解任され、後任に日本サッカー協会の西野朗技術委員長(63)が就任した。6月14日のW杯ロシア大会開幕をわずか66日後に控えての“政変”の舞台裏を探る。そこには、過去に2度日本代表を率いてW杯を戦い、今年3月に日本協会副会長の座を退いた岡田武史氏(61)=FC今治オーナー=の姿も見え隠れする。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

 ■スポンサーの不満

 一見唐突にみえる“ハリル解任劇”だが、実際には昨年12月16日、東アジアE−1選手権・韓国戦(味スタ)で1−4と惨敗を喫した時点で、検討は始まっていた。

 6大会連続のW杯本大会出場こそ決まっていたが、ハリル・ジャパンは勝てない上に、魅力のない試合を連発し急降下したTV視聴率には最後まで歯止めがかからなかった。「W杯最終予選だったら30%超えが当然」(協会幹部)のはずが、ハリル・ジャパンではW杯出場権獲得試合(豪州戦=昨年8月31日、埼スタ)でさえ、平均24・2%(関東地区、ビデオリサーチの調べ)がやっとだった。

 人気低迷には、大金を払うスポンサー筋からブーイングが沸き起こった。ハリル監督は本大会直前の最終合宿地(オーストリア)で出場メンバー23人の発表をかたくなに主張していた。通例ならその前に、本大会の壮行試合(5月30日・ガーナ戦)で発表される。ハリルのワガママを飲んだ場合、「本田(パチューカ)や香川(ドルトムント)が大会直前に代表落ちを通告され、フランス大会のカズのように修羅場となる可能性があった」(協会関係者)。

 特に香川は、日本代表ユニホームの公式スポンサーであるアディダスジャパンとの個人契約選手だ。同社は日本協会と2023年まで総額250億円の8年契約を結んでいる。過去に出場したW杯では名波浩(フランス大会)、中村俊輔(ドイツ、南アフリカ)に続き、香川がアディダスの大看板を受け継いだ。

 02年W杯では、史上初のW杯ベスト16進出を果たしたこともあって、総額50億円以上ユニホームの売り上げを記録した。香川の土壇場落選は、日本協会にとってあってはならないシナリオだった。

 アディダス社にしてみれば、3月ベルギー遠征のマリ戦は本大会で着用するアウェーユニホームのお披露目試合。そこに故障があったとはいえ、香川が招集されなかったのは衝撃的だった。「ハリルをクビにするのは、むしろ半年遅かった」という声は複数の代表スポンサーからこの日、上がった。

日本協会の年間収益の約70%が日本代表関連のもの。代表がコケれば日本協会の台所は一気に火の車になる。2018年度では年間約235億円の収入を想定。約165億円前後の財源は日本代表がもたらす。
6大会連続出場を果たしたW杯でここまで話題にならない日本代表はハリル・ジャパンが初めてのこと。本大会前に交代させるなら、日本協会で最後の常務理事会が行われるこの日しか、ハリル更迭の日はありえなかった。

 ■陰のキングメーカー

 西野技術委員長の監督就任を最終的に決断したのは、日本協会の田嶋幸三会長(60)だが、「長い付き合いもあり、岡田さんとはいろいろと話をしていた」と明かす。西野ジャパン誕生には、過去の日本人でただひとり、W杯で采配をふるった岡田氏の考えは、田嶋会長の決断に大きな影響を与えた。
 岡田氏は西野新監督とも早大ア式蹴球(サッカー)部で先輩後輩の間柄でホットラインがある。

 田嶋会長は今年3月24日付けで日本協会副会長を退いた岡田氏について「いまはFC今治のオーナーで、日本協会としても是非とも成功してほしいが、何らかの形で今後も応援してもらう形にしたい」と日本協会の名フィクサーとして岡田武史の大看板に頼ることを何度も強調してきた。

★1: 4月13日 19時37分
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