ハリルホジッチの解任は“戦略なき戦術”。 広がり続ける、日本と世界の差
http://www.legendsstadium.com/column/01/185/

私は今でも、ハリルホジッチの戦略で臨むワールドカップを見たいと思っているし、その戦略でベスト8を果たす可能性は充分に見えていた。
それは今まで書いてきた通りだ。
マリ戦やウクライナ戦が、最終的な解任のきっかけになったことも、呆れて物が言えない。マリ戦は新戦力をテストした親善試合だった。
半分はロシアのピッチに立たない選手だ。このタイミングで、未だに個人のテストを繰り返したことに異論はあるかもしれないが、それも含めて後から分析されるべきだった。

そしてウクライナ戦は、相手が中盤に人を集めるポジショナルサッカーをやってきたが、そんな対戦相手は、日本のグループにいない。
コロンビア、セネガル、ポーランド。本大会で戦う相手はマンツーマンで対応しやすいチームばかりで、ハリルホジッチの戦術は相性が良い。
特にコロンビアとセネガルには、エース潰しのハリル戦略がはまると思っていたし、いくつかの原稿にも書いてきた。だから残念でならない。

「なぜ今なんだ!」とハリルホジッチは怒ったそうだ。本当に、なぜ今なんだろう。なぜ、サッカー協会で選挙が行われ、田嶋会長の再任が3月に決まった、その翌月なんだろう。
もっと早くに解任していたら、新チームがうまくいかないとき、大批判が起きたとき、その決断の責任を田嶋会長が問われただろうか。
それは選挙のリスクになっただろうか? 逆に今の解任ならば、ロシア大会が惨敗に終わっても、新監督を迎えて、1年半は任期の猶予がある。
タイミングが良すぎるのは気がかりだ。

生まれて初めて、日本代表を応援できない気持ちになっている。
この10年で日本と世界の差はずいぶん広がったが、まだ序章に過ぎないのかもしれない。