西日本新聞
4/8(日) 9:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180408-00010001-nishinpc-soci


 若者の新聞離れが言われる中、小学3年から7年間、新聞の切り抜きを続けている高校生がいる。北九州市小倉北区の東筑紫学園高新1年、梅田明日佳さん(15)は興味を持ったテーマを自由に探求する「自学ノート」作成が日課。ネタの源は新聞記事だ。自学ノートを紹介した作文「ぼくのあしあと総集編」は思永中在籍時の3月、市主催の「第9回子どもノンフィクション文学賞」の中学生の部で大賞を受賞した。

 梅田さんの一日は新聞を読むことから始まる。朝30分かけ新聞を読み、気になった記事を見つけるとページごと破ってファイルに保存。時間を見つけて記事を切り取り、自学ノートに貼り付ける。コメントを書き込んだり、気になった記事の箇所にマーカーで線を引いたりしている。特に興味を持ったテーマは続報も切り抜き、追跡を続ける。

 自学ノートは、もともと「何でも好きなことをやっていい」という小学校の宿題がきっかけ。選んだテーマが新聞の切り抜きだった。

 JR小倉駅前に設置された小倉祇園太鼓像のばちが盗まれたという記事(2011年6月)が気になった。「誰がこんなことを」。盗まれてから、ボランティアの寄付でばちが修復されるまでを追った。実際に足を運んで祇園太鼓像を見に行くと、なくなったはずのばちの部分に、誰かが善意ですりこぎを取り付けているのを発見したこともあった。新聞記事を基に探求する面白さにはまった。

 応募した作文では、400字詰め原稿用紙50枚にわたり、祇園太鼓像のばち盗難の話題などを「僕の歴史年表」としてつづった。選考委員を務めた作家のリリー・フランキーさんは「『知りたくて』取材をしていることに好感が持てた。将来が楽しみな人物」と梅田さんを評した。

 新聞や切り抜きは山積みになり、自学ノートも17冊目になった。「記事には思いもしない発見がある。新聞は面白い」。梅田さんの探求心は尽きない。

西日本新聞社

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