柔道体重別選手権 女子78キロ超 高校生の素根が連覇
4月7日 19時07分 NHKニュース
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柔道の世界選手権の代表選考を兼ねた全日本選抜体重別選手権が開幕し、女子78キロを超えるクラスでは、高校3年生の素根輝選手が、去年の世界選手権銀メダルの朝比奈沙羅選手を破り、大会2連覇を果たしました。

柔道の体重別の日本一を決める全日本選抜体重別選手権は、ことし9月にアゼルバイジャンで行われる世界選手権の代表選考を兼ねて、7日から2日間、福岡市の福岡国際センターで行われます。

7日は男女合わせて7階級が行われ、このうち女子78キロを超えるクラスの決勝は、地元福岡県の高校3年生、素根選手と去年の世界選手権の銀メダリスト朝比奈選手の対戦となりました。

試合は両者ともに決め手を欠き、4分間の試合時間ではポイントを奪えないまま延長に入りました。

素根選手は延長2分すぎに2つ目の指導を受け、もう1つ指導を受けると反則負けになる状況に追い込まれましたが、このあと攻めに転じて積極的に技を出し続けました。

そして、延長が8分に近づいた時、防戦一方の朝比奈選手に3つ目の指導が与えられ、朝比奈選手の反則負けとなり、素根選手が12分近い熱戦を制し、大会2連覇を果たしました。

素根選手は4回目の対戦で朝比奈選手に初めて勝ち、世界選手権の代表に向けアピールしました。

また、男子73キロ級ではリオデジャネイロオリンピック金メダルの大野将平選手が、準決勝で66キロ級から階級を上げた海老沼匡選手に敗れる波乱がありました。

決勝では、去年の世界選手権を制した橋本壮市選手が海老沼選手に勝って優勝しました。

このほか、男子60キロ級は大島優磨選手、男子66キロ級は丸山城志郎選手、女子63キロ級は能智亜衣美選手、女子70キロ級は大野陽子選手、女子78キロ級は高山莉加選手がそれぞれ優勝しました。

◆素根「絶対に勝つと思って 技かけ続けた」
女子78キロを超えるクラスで優勝した素根輝選手は「互いにきつい試合だったが、自分が絶対に勝つと思って技をかけ続けた。朝比奈選手との直接対決に勝つことがいちばんのアピールになると思っていた。2週間後の全日本女子選手権でも朝比奈選手を倒して優勝したい」と話していました。

◆朝比奈「借りを返したい」
女子78キロを超えるクラスの決勝で素根輝選手に敗れた朝比奈沙羅選手は「勝負の世界は順風満帆にばかりいくものではない。強くなるチャンスをもらえたと思ってまた頑張ります。2週間後の全日本女子選手権で借りを返したい」と悔しさをこらえるように話しました。

そのうえで、試合については「組むことができれば自分は強いけれど、自分の持ちたいところを持たせてもらえなかった。素根選手は力をつけてきたという感じがする」と17歳の若手の成長を評価していました。

◆橋本「集中してやれた」
男子73キロ級で優勝した橋本壮市選手は「去年、世界選手権で優勝したことで、いろいろなプレッシャーがあったが、1つ1つ目の前の試合に集中してやれたことがきょうの優勝につながったと思う」と話しました。

また、リオデジャネイロオリンピック金メダリストの大野将平選手が準決勝で敗れて対戦できなかったことについては「大野選手と試合をしたくて研究をしてきたのですが、次あたることがあれば、またしっかり準備して試合に臨みたい」と残念そうな表情で話していました。

◆大野「もっと稽古積みたい」
男子73キロ級の準決勝で、中学・高校の先輩、海老沼匡選手に敗れた大野将平選手は「いちばん楽しみにしていた相手だったので、もう少し集中して戦いたかった。もっといい試合をしたかったという残念な気持ちが強い。やはり自分は稽古がすべての選手なので、もっと稽古を積みたいなと思います」と反省を込めて話していました。