政府が検討する放送制度改革案が明らかになった。

放送番組の「政治的公平」などを定めた放送法4条を撤廃し、テレビやラジオなどの放送事業と、
インターネットなどの通信事業で異なる規制を一本化する。

放送分野への新規参入を促す狙いだが、政治的に偏った番組が放送されることなどが懸念される。

放送法4条は、放送事業者に番組作りの原則として、政治的公平
▽公序良俗▽正確な報道▽多角的な論点の提示−−の4項目を求めている。

改革案では4条に加え、娯楽や教養、報道など番組内容のバランスを取ることを求める「番組調和原則」、
放送局への外資の出資比率を制限する「外資規制」など、放送事業特有の規制を撤廃する。

この結果、通信事業者と同様に、番組内容に関する基準が事実上なくなることになる。

放送番組の制作などのソフト事業と、放送設備の管理などのハード事業の分離の徹底も盛り込んだ。
一方で、NHKについては規制を維持。公共放送の役割を重視し、民放と区別する。

NHKには番組のネット常時同時配信も認める方向だ。

改革案は規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)が取りまとめ、6月にも安倍晋三首相に答申する。
早ければ今秋の臨時国会に法案を提出し、2020年以降に施行する方針。

政府が放送制度改革に乗り出したのは、安倍首相の強い意向があるためだ。
http://mainichi.jp/articles/20180329/k00/00m/010/096000c