昨今プロ野球界では、選手が後輩のことを「〇〇クン」と呼ぶというが、はたしてこれはよいことなのだろうか? 
時代遅れと笑われても構わない──嫌なものは嫌だと声を上げた350勝投手・米田哲也氏(80歳)の熱い主張を聞こう。

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野球は上下関係の厳しい世界だし、敵味方がはっきり分かれているスポーツ。だから先輩はしっかり「さん付け」するし、後輩は全部呼び捨てしていた。
ところが今の選手たちは、後輩に「〇〇クン」と「クン付け」で呼ぶし、同世代は下の名前とかあだ名で呼んだりする。チームメイトならまだしも、他のチームの選手までそう呼んでいる。

そんな馴れ合いの姿勢で、真剣勝負ができるのか!

私たちの時代には、他球団の選手とは話もしなかった。ランナーに出たって、今みたいに仲良くおしゃべりする光景は見たことがない。隠し球でアウトにしてやろうとしてたくらいなんだから。

私にも仲のよい選手が他チームにいた。アマチュア時代からの付き合いで、オフには飲みに行くような仲だったが、シーズン中はお互い絶対に表に出さなかった。

それでも対戦したときはやはりきわどいコースに投げられなかった。ピッチャーはいかにバッターとのしがらみを断つかが肝心。他チームの選手と親しくなって真剣勝負なんかできるわけがない。

結局、人間関係が緩んでいるということ。球場に行くと、若い選手が私たちの顔を見て「ご苦労様です」と言う。いやいや、「ご苦労様」は目上が若い者に言う言葉だろうと。
私の現役時代なら監督から大目玉を食らっていた。そういうことを注意する指導者がいないのが一番の問題かもね。

3/21(水) 16:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180321-00000019-pseven-spo

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