事の発端は10日に神宮球場で行われた日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟主催の関東連盟春季大会開幕式。202チーム、約4000人の中学球児に囲まれた状態で始球式を務めた稲村だったが、投球を終えると周りにいた大勢の球児が稲村の元へ押し寄せ“もみくちゃ状態”に。この模様が収められた動画が「ユーチューブ」などにアップされると、ネット上で批判が殺到した。
騒動の後、稲村は「この始球式に出られてうれしいです。みなさんの熱気が伝わってうれしいですし、この熱気を試合で爆発させて優勝目指して頑張ってください!」とコメント。「握手を求められただけで、体に触れるということはまったくなかった」と“おさわり”を否定したが、SNS上では現場にいた球児らのアカウントが特定されるなど、大炎上に発展してしまった。
そんな後輩たちが起こした大騒動には、甲子園球児たちも心を痛めている。近畿地区のある出場校の選手は「チーム内でもヤバイやろ、と話題になっていた。自分も正直、あの場にいたら“行ってみたい”とは思います。でも、野球をやる前にまず理性ある行動を取らないといけない。心と体が伴わないといけないですよ。(今回の事件は)残念です」と複雑な表情で話した。
東北地区のある選手は「公共の場をわきまえた行動をしてほしかった。一人ひとりがしっかりしないと、ああいうことになってしまう。僕らも有名人や芸能人がいると気にはなるけど、自制心を持つことが大事。自分勝手な行動はチームにも迷惑をかけるし、それは野球にもつながっていると思う」と話した。
また、問題の“襲撃動画”が、あっという間にSNSで拡散されたことを憂慮する声もある。SNSの利用は一切禁止、違反すると3週間の部活動停止などの厳しい処罰もあるというある学校の選手は「自分も中学ではツイッターをやっていたけど、高校入学と同時にきっぱりとやめました。慣れれば別にやりたいとも思わない。SNSもどんどん発展してるので、もう一度イチから付き合い方を見直さないといけないと思う」と神妙な顔つきで話す。
さらに「亜美ちゃんがかわいそうだった。これで野球を嫌いにならないでほしい。また僕らのところにも始球式に来てほしい。そのときは全力でガードしますよ。僕らは紳士ですから」(九州地区の出場校のある選手)と稲村を気遣う声も聞かれた。
高野連の竹中事務局長は「高野連がどうこう言えることではないです。でも、あれだけニュースになっていることですから…」と話すにとどめたが、憧れの甲子園球児からのメッセージは騒動の当事者となった中学生たちに届くか。
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