「ほとんど演歌の世界みたい……」

 こんなセリフがサッカー界で囁かれている。日本代表ハリルホジッチ監督の、主将でMF長谷部誠(34=写真・AP)への愛情の深さが「尋常じゃない」(マスコミ関係者)からだ。

 ハリルは、長谷部の名前を口にするたびに「彼は日本代表に必要不可欠な人材」と言い切る。15日の発表会見では「(ロシア)W杯本大会までケガなくいってほしい」とコメント。体調を崩さない限り、W杯メンバー入り<当確>のお墨付きも同然というワケだ。

「ハリルは、親しい人に『プレーできなくてもいい。ただ、いるだけでいいんだ』とベタ惚れ状態です。あるサッカー関係者が『まるでフランク永井のヒット曲のフレーズみたい』と言いながら、『おまえのほかに誰もない。そばにいてくれるだけでいい』と口ずさんでいた」(前出の関係者)

その長谷部はここ数年来、ケガが多い。ニュルンベルク時代の14年2月に右ヒザを手術。同年6月開幕のブラジルW杯には間に合ったが、本大会では精彩を欠いた。14―15年シーズンからフランクフルトでプレーしているが、左右のヒザを何度も痛め、最近は腰痛にも悩まされている。ロシアW杯をベストの状態で迎えられる保証はない。
「ハリルは長谷部の代役にG大阪MF今野泰幸(35)を考えてはいるものの、長谷部のようなキャプテンシーはないし、少々のケガでも長谷部をロシアに連れていく。長谷部への溺愛ぶりを不安視する関係者は多い」(前出の関係者)

 長谷部は、17日のブンデスリーガ1部マインツ戦に先発フル出場。ハリルの願いは「活躍しなくていい。ケガだけはしないで!」だろう――。

2018.03.20日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/225417