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2018-03-14 19:15

スタジオジブリの宮崎駿監督が映画『風立ちぬ』(2013年)以降、初めて手掛けた映像作品『毛虫のボロ』(原作・脚本・監督)の完成披露試写会が14日、東京・三鷹の森ジブリ美術館の映像展示室「土星座」で行われた。
上映に際し、宮崎監督は書面でことばを寄せ、安西香月館長が代読。「音をあててくれたタモリさんに感謝します。タモリさんなくては、この映画は完成しませんでした。ありがとう」と、声と音を担当したタモリに感謝した。

タモリは、14分20秒の作品の中で、主人公の毛虫ボロが発する声のようなものから、葉っぱを食べる音、ほかの昆虫たちが羽を羽ばたかせる音、女の子がこぐ三輪車から聞こえてくる音など、すべての効果音や擬音を声で演じている。
同美術館のみで上映されるオリジナル短編アニメーションでは、『やどさがし』にも声と音で参加している。

 2016年11月13日にNHKで初放送されたドキュメンタリー『NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」』内で、CGで短編映画に初挑戦している姿が紹介されてから1年余り。
完成した作品は、一部にCGを取り入れた新たな映像表現が見られる一方で、いい意味でいままでと変わらない宮崎アニメ感が楽しめるぜいたくな仕上がり。3月21日より上映される。あわせて美術館2階ギャラリーでは、関連展示も行われる。

 ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制。チケットは、コンビニチェーン「ローソン」でのみの販売。今年も夏休みシーズンの7月・8月入場分のチケットについては先行抽選販売を行う。
7月入場分は5月25日〜31日に受付、8月入場分は6月25日〜30日に受付。

■宮崎駿監督のコメント(全文)

ごあいさつ

 生まれたばかりのちっぽけな毛虫に世界はどう見えているのでしょう。
 小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました。
 毛虫には空気の粒は見えるのかなぁとか、葉っぱをかじった時はゼリーのような味がするのかなぁとか、狩人蜂は今の戦場で飛び回っている無人攻撃機みたいなものかなぁとか…。
 それでこんな映画ができてしまいました。
 さいごまでつきあってくれたスタッフと、ノボロギクを教えてくれた家内と、音をあててくれたタモリさんに感謝します。
 タモリさんなくては、この映画は完成しませんでした。

ありがとう
宮崎駿

※宮崎駿監督の「崎」はたつさき