日本ハムは13日、ドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)=早実=が12日夜に遠征先の広島から緊急帰京し、都内の病院に入院していたことを発表した。
この日、精密検査を受けた結果、腹腔(ふくくう)内の一部に炎症が見られる「限局性腹膜炎」と診断された。これについて松本クリニック(兵庫県芦屋市)の
松本浩彦院長に見解を聞いた。

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 日本ハムの清宮選手は「限局性腹膜炎」という聞きなれない病名ですが、考えられる原因は恐らく虫垂炎、いわゆる「盲腸」というやつです。以前から
右下腹部の痛みを感じながら、我慢していたのでしょう。炎症が強くなって腹膜まで達した。もしかしたら、虫垂が破れて膿(うみ)が出た、とも考えられます。

 程度によりますが、まずは抗生物質の点滴を続けて、原因となっている悪玉大腸菌をやっつけられれば治療終了です。16日に早実の卒業式という話ですから、
そこまでは点滴で様子を見るでしょう。

 ただし最悪の場合、虫垂が破れて膿が腹腔内に漏れ出していたら、手術になります。手術といっても、腹腔鏡を使えば1センチほどの傷が2つか3つです。
腹膜炎が相当ひどければ、開腹手術になります。開腹といっても、右下腹部を3センチほど切開し、虫垂を切除、大量の生理食塩水で腹腔内を洗浄し、
ドレーン(膿を吸い出すシリコンチューブ)を入れて傷を閉鎖。ドレーンは1週間ほどで抜けますので、最悪でも入院期間は3週間程度です。

 糸が抜ければ、普通ならその日から日常生活は可能ですが、過酷なプロ野球の世界ですので、2週間ほどは別メニューで調整するのではないでしょうか。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、
(社)日本臍帯・胎盤プラセンタ学会会長。

デイリースポーツ
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