「私は協会に怒っている。なぜあの男をこうなるまで放っておいたのか!」。

女子レスリング五輪4連覇の伊調馨(33)が日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)からパワハラを受けたと告発があった問題で、
世界選手権メダリストで栄氏の元教え子の女性は夕刊フジの取材に怒りを露わにした。栄氏の本性や協会のガバナンスなどの“爆弾”を独占激白した。

「告発状にあるようなパワハラがあったことは事実。田南部力(たなべ・ちから)コーチ(42)からも直接、『モスクワへの遠征で伊調のコーチをしないように言われた』と聞いている。
そもそも告発状にあるようなパワハラは日常茶飯事で、レスリング界にいる人はみんな知っている」

元教え子の女性はこう言い切った。
伊調が栄氏のもとを離れたのは2008年の北京五輪後で、姉で五輪銀メダリストの千春さん(36)とともにカナダに留学している。
そこで伊調はこれまでの栄氏による「やらされる練習」ではなく、選手個人がライフワークとして自主的に練習する姿に共感したと元教え子の女性は語る。

カナダから戻った伊調は東京に拠点を移し、そこで出会ったのが、指導能力に定評のある田南部コーチだった。熱く論理的に指導する田南部コーチのもとで、伊調はさらなる成長を遂げる。

「伊調は真にレスリングを追求したいタイプで、非常に真面目な人間。日本に戻って男子の練習に参加するという選択をしたのは何ら不思議なことではない。
至学館に残って敵のいない女子と練習するより、レスリングをより追求できる。栄さんの指導は非常に抽象的ですから。

今、至学館で練習する選手も、栄さんの抽象的過ぎる指導を理解できない選手も多々います。
ただ、至学館には指導者はたくさんいますから、選手は向上しますが…」と元教え子はコーチスタイルの違いについて説明した。

 元教え子の女性は、栄氏による伊調へのパワハラはあったと明言するが、伊調には直接練習に来ないようには言わず、
田南部コーチや周辺の人物に陰口のように言い続けていたという。そんなやり方に田南部コーチも非常に腹を立てていたと話す。

 現在も田南部コーチや協会関係者と密に連絡を取っている元教え子の女性。今回の問題でレスリング関係者が総じて口を閉ざすなかで、あえて証言したのは、
「伊調のような偉大な選手を本来守らなければいけない立場の協会が、これまで何の対応もしてこなかった」ことへの怒りもあるという。伊調の練習環境や協会のガバナンスを改善させる引き金になるか。

3/13(火) 16:56配信 夕刊フジ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180313-00000006-ykf-spo

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