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 とは言え、ネットスラングが認知されていく過程で、当初の意味から変化するのはよくあること。今では一般化した「壁ドン」にしても、男子が女子を壁に追い詰めることではなく、当初は「隣室がうるさいから壁をドン!と叩いて注意すること」だった。また、「ツンデレ」も「ツンツンとデレデレのギャップ萌え」で定着したが、元々は「最初は陰険ムードでツンツンしていたが、徐々にデレデレしてくる」といった“時間経過萌え”のことだったのである。

■ネットスラングの“一般化”は、女子中高生の間で流行るかどうかが鍵に!?

 昨今のネット用語の“変化”については、女子中高生の存在もポイントだ。最近は彼女らを媒介にネットスラングがSNSで広がる傾向にあり、『うP』『かまちょ』『〇〇なう』などは、10年以上前にネットで流行った言葉が一周まわって最近ブームになった。彼女らにとっては“元の意味”などは関係なく、単にカワイイ語感や、使いやすい言葉だからというシンプルな理由で用いているようだ。「バブみ」も同様で、今は女子中高生の間で“赤ちゃんみたい”という意味として、「バブい」に変化して使われている。

 “言葉は生き物”とよく言われるが、ネットスラングだけでなく、普通の日本語が本来の意味から変化して定着することは多い。数年前から使われている「爪痕を残す」も、「結果を残す」、「印象づける」といった意味で使われているが、以前は「災害や事件などで悪影響が残る」際に使われてきた言葉だった。

 しかし、単なる間違いとか勘違いという問題ではなく、先述のように言葉は時代とともに生きており、たとえ本来の意味から別の意味に変化したとしても、その時代に受けいれられれば、それもまた正解なのだろう。そういう意味では、この新たなネットスラング「バブみ」も“生き物”として成長している真っ最中と言える。最終的に「バブみ」がどんな意味の言葉として定着するのか、その着地点を見守りたい。

おわり