ベンチの信頼回復できず 阪神・藤浪は開幕二軍落ちへ

イライラする内容だった。

阪神の藤浪は13日のヤクルトとのオープン戦に先発。四回途中までで被安打4、
5四死球、6失点KOだった。

 セットポジションでの投球は初回から抜け球が目立ち、球数は二回までに
50球を要した。三回以降は2度ぶつけて死球癖も“健在”。2失策の遊撃西
岡に足を引っ張られたとはいえ、そういうときこそ、ベンチは何とか踏ん張り、
ゲームを立て直して欲しいものだが、今の藤浪にその力はない。

藤浪は昨年4月のヤクルト戦で畠山の頭部にぶつけてからおかしくなった。
死球への恐怖心から右打者の内角に投げられなくなり、制球難に拍車がかかった。
トラウマの原因となった畠山がスタメン起用されていたら、結果はさらに悪かった
かもしれない。

巨人、中日、日ハムなどで投手コーチを歴任した高橋善正氏も「今の藤浪は
首脳陣にとって使いづらい投手です」と言ってこう続ける。

「藤浪の制球難は技術より気持ちの問題。フォームのここを直せばよくなると
いうものではない。制球が悪いと球数も多くなり、野手は守りづらい。
『次の球は勝負』という時に、抜け球や、ボール、ボールでカウントを悪く
するとバックは気持ちが萎える。言い訳にはならないが、この日の西岡の失策
は藤浪の投球内容とは無関係ではないと思う。」

 金本監督は藤浪の投球について「ストライクを取るのにまだ四苦八苦している」
と言った。


阪神・藤浪 ローテ落ち

完全復活を期す阪神・藤浪晋太郎投手(23)がパッとしない。

先発の4番手として期待していた金本監督にとっても頭の痛い問題だ。
指揮官は「(4回に)左打者に引っ掛け始めた。そうなると投げる球が
決まってくる。右も左も外ばっかり。ストライクを取るのに四苦八苦とい
うのは…。次回は今日より上がりめを見せてくれないと」と苦言を呈した。

フォーム改造の成果を発揮できず、乱調で開幕ローテ入りも黄信号だ。
 周囲もローテ落ちの危機を懸念している。
「今日の状態ではローテ入りは厳しい。他に投手がいないならまだしも、
他のローテ候補は結果を出している。特に成長著しい才木は監督も買って
いるし、このままだと初めて年下にローテを譲ることになるかもしれない…」
(チーム関係者)。いみじくも「藤浪2世」といわれた2年目・才木はこ
の日、教育リーグ・中日戦(ナゴヤ)で7回1失点と好投した。

 次回登板の内容次第ではプロ初の開幕二軍が現実味を帯びてくる。