メキシコリーグで本田圭佑(31)が好調を維持しています。驚くのは、後期リーグで決めた5アシストのうち4つがCKだということです。

4日のトルーカ戦は左からのCKでした。CKでは、ニアのポストの近くに“ストーン”といわれる動かない選手を置くのが普通です。
キッカー(本田)はこのストーンを目安にして(1)手前に落とす(2)頭を越す(3)アウトスイング(ゴールから離れていく軌道)のボールを蹴る−などのパターンがあり、この場面では(3)を選択しました。

「アウトスイングのボールを蹴るから、誰か飛びこんでくれ」というメッセージに、DFの選手がヘディングで飛びこみました。
CKではゴールを決める選手が相手GKより先にポジションを確保することも大切です。このゴールでは、その条件も満たしていました。

どうやったらあんなボールを蹴ることができるのですか、とよく聞かれます。
足首をしっかり固定して蹴ることがポイントですが、蹴り方はまさに十人十色。本田の場合はボールを足でこすりあげるイメージですね。

野球にたとえると、カーブを投げるとき人によって握り方から違うじゃないですか。それと同じで、自分の蹴る形を早く見つけることが大切です。

本田が好調なのは、今月下旬の国際親善試合に向けて15日に発表される予定の、日本代表の欧州遠征のメンバー入りを目指しているから。
ここで代表招集を見送られれば、W杯も呼ばれない。それは本田本人が一番よくわかっているはずです。

ゴールでなくアシストでもいい、セットプレーでもなんでもいい、ゴールに直結した「結果」を貪欲に求めている姿にはエールを送りたくなります。

■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。
95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。

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2018.3.12
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