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 池の水を抜いて水質改善や、外来魚を駆除することによる生態系の回復をはかる「かいぼり」を番組にした『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦7〜巨大怪物も絶滅危惧種も出た!出た!〜』がきょう11日(後7:54〜9:54)、テレビ東京系で放送される。社会現象ともいえる反響を生み出し、4月から月1回2時間枠でのレギュラー化も決まった。今月2日に同局で行われた改編説明会では、記者から番組に関する質問が相次いだ。「池には人を吸い寄せる力がある」と、その底知れない魅力を語っていた伊藤隆行プロデューサーのコメントをまとめた。

■月イチレギュラー化について

 2017年1月の放送からほぼ2ヶ月に1回のペースで、これまでに6回放送され、第7弾がきょう11日に放送。前回の18年1月2日のお正月3時間スペシャルでは、視聴率13.5%を記録し、同時間帯在京1位という快挙を成し遂げた(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。放送のたびに「うちの池の水も抜いてほしい」といった応募が殺到するようになり、「先日、応募総数数えたら520件くらいきていました。6回で21の池の水を抜きましたが、そのペースでやっていくと25年かかってしまう。4月から月1回にペースが上がれば10年くらいになりますが、また応募も増えると思うので、月に一度でもまだ足りないくらいかもしれません」と伊藤P。

■思いがけない副産物 生態系の現状を知る貴重な資料に

 「水を抜いた21の池ごとに捕獲した生き物をリストアップして、日本地図に落とし込んだ表を作ったのですが、専門家によると、日本の生態系の現状を知ることができる、学術的価値を持ちはじめているらしいのです。ぜひ、この表を研究に役立てていただきたいと思います。第7弾ではじめて九州地区にも行きますし、まだ行ってない北海道地区にも行きたいと思っています。番組に寄せられるSOSのバリエーションも増えていて、非常に臭い、景観が悪い、子どもが危ない、隣にある池が荒んでお客さんが減ってしまったという観光施設、大きなお城、地域復興につなげたい、など。面白そうなところに素直に行ってみようかと思っています」(伊藤P)

■池には人を吸い寄せる力がある!?

 「ロケをしていると、かいぼりにボランティアで参加してくれる地元の人たち、見物人もたくさん集まってくれて、とある池のロケでは炊き出しが出ていました。移動販売のラーメン屋が勝手に出店していたこともありました。ゲストも思いがけない人が出てくれて。伊集院光さんをはじめ、芦田愛菜ちゃん、ドラマの番宣を兼ねて小泉孝太郎さんなど。第7弾には意外すぎる池松壮亮さんが参加してくれます。名字に池がついているから? サンシャイン池崎さんも一回出てくれましたね。あまりバラエティーに出ているイメージがないような方からも、自分の経験としてやってみたいという逆オファーをいただいています。池には何か人を吸い寄せる力があるような気がします」(伊藤P)

■うっすら感じる、番組で“池の水ぜんぶ抜く”意義

 「池ってわりと身近なところにあるのに、その横を素通りしていた人が多かったんじゃないでしょうか。何の気なしにゴミを捨てていたり、飼えなくなった生き物を放していたり。人間のちょっと悪い部分を封じ込めて、ずっと目をそむけてきた。池の水を抜いたら、そういうのがテレビで白日の下にさらされてしまった。

 日常的に見ていた池の水を抜いたら、見たことがない非日常があった。知らなかったことを知ることができた。それってテレビの根本でもあると思うんですけど、それがあるからストレートに面白いと思ってもらえた、好奇心が刺激されたんだと思います。

 番組を見ている子どもたちが、池にものを捨てたり、生き物を放しちゃいけないんだなと感じてくれたり、昔は季節になるとよくトンボを見たけど、最近見なくなったのはヤゴが外来種に食べられているからか、と大人が気づいてくれたり。ただ池の水をぜんぶ抜くだけの番組なんですけど、やる意義が多少はあるのかな、というのをうっすら感じています。そのためにやっているわけではないんですけどね」(伊藤P)

2018年3月11日 7時0分
オリコン
http://news.livedoor.com/article/detail/14415803/