サッカーのJ1川崎フロンターレの公式ファンクラブ「川崎フロンターレ後援会」の会員数が、過去最多だった昨季の3万6894人を上回った。22年目を迎えたクラブは初めて年間チケットの販売をストップするなど、観戦チケットが入手困難な状況になるほど人気は過熱。地域に根差した活動をベースに、昨季獲得した初タイトルという勲章が新たなファン層を拡大させている。

 後援会事務局によると、3月1日現在の会員数は3万6989人。悲願の初戴冠を果たした昨季終了時点を瞬く間に更新した。J2優勝で昇格した2004年に1万人、08年には2万人、16年に3万人と、会員数は右肩上がりを続けてきたが、今季はシーズン前からこれまでにない伸び率を記録しており、クラブは今季中にも4万人の大台到達も視界に捉えている。

 ホームゲームでの試合前の多彩なイベントはもちろん、商店街巡りなどの地道なホームタウン活動を継続してきた。担当者は「何となくフロンターレを知っていた人が多かったが、優勝という結果を受けて、認知度が爆発的に上がった」と分析。ファン感謝デーなどの限定イベントに参加できる特典をはじめ、先行的にシーズンチケットや前売りチケットを購入できることも、後援会への入会を後押しする。

 ホーム開幕戦となった2日、川崎市等々力陸上競技場での湘南ベルマーレ戦には、金曜日開催にもかかわらず観客は2万2千人を超えた。小学2年時から後援会会員の秋山仁さん(23)は「チケットが簡単に手に入らない日が来るなんて夢にも思わなかった」と言えば、10年来の会員の雨森裕さん(47)も「最寄りの駅がユニホームを着るサポーターで埋まるのがすごくうれしい」と息子の手を握った。

 クラブトップの藁科義弘社長は「21年を積み重ねた結果であり、期待に応える責任を感じている。会社としてはまだまだひよっこ。失敗を恐れず、ひたすらやり続けたい」と愛され続けるクラブを目指している。○○○ ガンバ大阪と対戦する10日には、同競技場外で恒例の「フロンターレ牧場」が開かれる。市内にある福田牧場(高津区)、森養豚場(同)などの協力を得て触れ合いコーナーを用意。羊の毛刈りなどが体験できる。大半が参加費200?400円(後援会会員は半額)で、午前9時半から試合開始30分前の午後0時半まで楽しめる。

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