デュッセルドルフの日本人アタッカーが絶好調だ。
 
 3月4日に行なわれたブンデスリーガ2部の第25節、フォルトゥナ・デュッセルドルフとザンクト・パウリの一戦は、前者が2-1で勝利。ホームチームが首位に返り咲いたゲームで異彩を放ったのが、2試合連続で先発起用された日本代表MF宇佐美貴史だ。
 
 まずは、8分、右CKから精度の高いボールを供給し、アンドレ・ホフマンのゴールをアシスト。1点をリードを維持したまま迎えた74分には、自らネットを揺らすのだ。右からの浮き球パスを敵バイタルエリアの中央で受けた宇佐美は、ワントラップで前を向き、そのままの流れで左足を強振。およそ20メートルの位置から放った豪快ショットは、相手GKの手を弾き、ゴール右隅へと吸い込まれた。
 
 その後チームは1点を返されたものの、なんとか逃げ切りに成功。試合後、多くの現地メディアが称えたのは、全得点に絡む出色のパフォーマンスを見せた宇佐美だ。


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http://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=36507

 
 地元紙『Rheinische Post』は寸評採点において高評価の「2」を付け、「タカシ・ウサミは当初はベンチスタートが予想されたが、ベニト・ラマンの地位を完全に奪った。守備のタスクもこなし、ボールを前方へと押し進め、74分には追加点となるシュートを突き刺した」と賛辞を贈る。
 
 また、今回の活躍には当人も満足感を示している。『Rheinische Post』の取材に応じると、同じく1ゴール・1アシストの活躍を見せながらチームが敗れた2月23日のレーゲンスブルク戦を引き合いに出し、自身のプレーを分析した。
 
「ゴールを決められたことには満足していますけど、重要なのは勝つこと。だからレーゲンスブルク戦とは比較できない。だって今日は勝ったから。(得点シーンは)正確にボールを蹴ることだけに集中してました。それだけです」
 
 やや謙遜気味に自己評価する"タカ"だったが、ドイツ・メディアの評価はより高い。有力紙『WESTFALISCHE RUNDSCHAU』は、「ウサミは余裕を持って20メートルの地点から火が出るような強烈ショットを決めた。素敵な日曜日をありがとう」と記し、ザンクト・パウリの地元紙『HAMBURGER MORGENPOST』にいたっては、「タカシ・ウサミは完璧な成功を掴んだ」と、敵のヒーローを褒めちぎった。
 
 前半戦は出場機会が限定され、チーム内の立場も不安定だったが、ここにきてグイグイと調子を上げてきた。このままハイパフォーマンスを維持し、チームを5シーズンぶりの1部昇格へ導けるか。脳しんとうからようやく復帰し、ザンクトパウリ戦でともに先発を飾った原口元気とともに、奮闘が期待される。

3/5(月) 6:00配信サッカーダイジェスト
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