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握手禁止「性を売りにしたくない」名古屋の地下アイドル
https://digital.asahi.com/articles/ASL2Q5QVXL2QOIPE02M.html

ファンとの距離の近さを前面に出して、ライブハウスなどで歌う「地下アイドル」。華やかな舞台の裏で
過剰にも見える客との「接触」で収入を得る実情がある中、客との握手も禁じている芸能事務所が名古屋
市にある。「夢を追う少女の『性』を売り物にしたくない」との信念からだ。

 ♪過去の記憶 全部消したくなる時もある けどね二度と変えられないなら進むしかないでしょう

 名古屋を拠点に活動する女性アイドルグループ「Sparky Shadow」。市内のライブハウスで
「My dream」という曲を歌った。

 作詞作曲は、グループが所属する芸能事務所「アーティスト・サポート・プランニング」を営む伊藤恵
さん(31)。自らも10代の頃から歌手として夢を追いかけてきた。

 20歳で渡米し、教会で歌ったり、ボーカルレッスンに通ったりして歌に磨きをかけた。帰国後は、
若者の集うクラブでヒップホップやR&Bなどを歌った。

 あるとき、自称プロデューサーの男に「君、売れるんじゃない?」と声をかけられた。「200万円の
利益を上げたら全国に流通するCDを出す」との約束を信じたのに、売り上げは巻き上げられ、CD制作
の名目でお金まで取られた。

 同じライブイベントに出演した地下アイドルたちからは、自称プロデューサーやほかの男性スタッフら
から「上に行くためだ」と性交渉を強要されたり、ひわいな写真を撮られたりした話も耳にした。

 地下アイドルの大きな収入源は「物販」だ。ライブ後にグッズなどを売る時間を設定。その場で客とイン
スタントカメラで撮った写真も商品になる。写真の値段は500〜数千円。女の子と腕を組んだり、ほおを
寄せたりした写真を撮ろうと訪れる男性客も多い。

 客との身体的な接触で利益を上げる地下アイドルの実態を不快に感じていた伊藤さんは2014年、27歳
の時に芸能事務所を興した。夢を追う女の子たちのために、ステージ以外の要素を「売り」にすることはしな
いことにした。(続く)