天真爛漫(らんまん)で負けず嫌いな姉と、しっかり者でわが道を行く妹−。
高木菜那(25)と妹の美帆(23)は、初めて2人そろって出た五輪で一緒に頂点に立った。姉妹同時メダルは冬季五輪日本初となった。

共通の夢は、団体追い抜きでの金メダル。
強豪のオランダと競り合いながら最後は突き放して勝利を確信すると、姉妹で喜びを爆発させ、姉は感極まった。

 北海道幕別町出身の2人は、幼いころからよくけんかをしたが、いつもそばにいた。小学校に上がる前、遊びで初めて氷に立ったのも一緒なら、
サッカーやダンスに通うのも一緒だった。

運命が分かれたのは2009年冬。中学3年の美帆が翌年のバンクーバー五輪の代表選考会を制し、史上最年少での五輪出場を決定。
突如、全国区の「スーパー中学生」になった。

 高校生だった菜那は「美帆の姉」と呼ばれるのが嫌だった。当時、代表選考会にも参加できず、両親と現地に応援には行ったが、内心は「嫉妬していた」。
周辺には「(レース中に)転べって思った」とさえ明かしたという。

「比較するな」とむき出しにする負けん気が身長155センチのスケーターの闘志の源だ。高校卒業後は実業団の強豪、日本電産サンキョーへ進んだ。
メダリストの加藤条治や長島圭一郎に接して刺激を受け、次のソチ五輪では代表切符をつかんだ。

一方、ここで代表入りを逃したのが天才と呼ばれた妹だった。

美帆にとっては、初めてといえる大きな挫折。菜那を見つめる目は自然と鋭くなった。「姉は『五輪に行きたい、結果を残したい』とずっと言っていた。
気持ちの差が表れた」。今度は姉が妹の目を開かせた。

平昌五輪までの4年間、2人はライバルとして、仲間として、ナショナルチームで大半の時間を一緒に過ごした。
日本代表の糸川敏彦コーチは「言葉だけではない感覚を伝え合ったり、お互いが安心してしっかりできたりするところが、他の選手にはない姉妹ならではの強み」と信頼を置く
。気付けば姉妹は金メダルを目指す団体追い抜きの柱となっていた。

 妹に嫉妬心を抱いた姉、代表落選の屈辱からはい上がった妹。時間はかかったが、心を通わせあったメダルへの思い。
姉妹の夢は日本の五輪史に偉業として刻まれた。

http://www.sankei.com/west/news/180221/wst1802210075-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/180221/wst1802210075-n2.html

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