漫画「あしたのジョー」のイメージなど、かつては壮絶な印象で敷居の高かったボクシングは、いまやどのジムにも女性がフィットネス感覚でサンドバッグを打ちに通う。
その闘争心が試合出場まで高まるケースも多くなっているから驚きだ。

日本ボクシングコミッションの(JBC)報告によれば、プロライセンスを取得する女性は、1年前の約90人から130人に増加したという。
その中で目立つようになったのが“女子高生ボクサー”だ。

彼女たちは下校途中にジムを訪れ、試合に臨めるだけの実力を備えていく。
東京・品川で多くの世界王者を輩出してきたワタナベボクシングジムに通う鈴木なな子(18)も、その一人だ。

昨年5月にデビュー戦を行った鈴木は、6歳から習った空手の志をボクシングに移した。
その価値観はファイトマネーの使い方にも表れている。

さながら、一般的な高校生がアルバイト代を手に入れたよう。
堅実に、専用の銀行口座を新設したという。

「学校の先生や先輩が、たくさんチケットを買ってくれたので大きな収入になったけど、しばらく1円も手をつけていないです。
ボクシング用具とかへの出資にして、残りは将来への貯金にします」

まだスポンサー企業はないが、当然ながら両親が絶大なスポンサーで、現時点では衣食住がサポートされている。
積極的に料理を担当するのは父親。
普段は生活や進路にあまり口を出さないが、試合が決まると減量を気遣って味つけを薄くしたり、言葉以外で支える気持ちを示してくれる。

「ボクサーになることも反対せず、忙しくても試合には来てくれる。
ただ、アザができて帰った時は、さすがに『大丈夫?』って動揺していました」

感謝の気持ちは母に対しても同じく、ボクシングを通じて家族の絆が深まっている。
「恩返しは勝つだけです」と鈴木。

次の試合は18日の広島・マリーナホップ。
対戦相手も同世代の廣本江瑠香(17=広島三栄)だ。

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http://news.livedoor.com/article/detail/14298600/