>>693 続き
■平野は自分のスノーボードを貫いた

――平野選手は最初のエアを貫きましたね。


 平野選手はスノーボードの格好良さを世界中に発信したいけど、金メダルも妥協せずに狙いにいく滑りです。
2人の技の組み合わせは似ていますけれど、背景には対照的な考えがあるんです。
勝つことだけ考えたら、という意見もあるかもしれませんが、僕はそのこだわりを貫いてほしいと思います。それがなくなったら、もうスノーボードではなくなってしまうので。今回の結果はスノーボードの格好良さを貫いた結果が評価されなかったわけで、
どうなんだろうと僕は思っちゃいます。

とはいえ、銀メダルなので「おめでとう」なんですけれど、素直に言えないです。
平野選手は7歳でトリノ五輪を見て、ショーン・ホワイトが金メダルを取る姿にあこがれました。
自分もその舞台でショーンに勝って金メダルを取りたいというのが小さい頃に思い描いた夢なんです。
次の五輪にショーンが出るかは分かりませんが、
23歳で挑む22年北京五輪に金メダルという夢が延長されたと言えるのではないでしょうか。


 一番悔しいのは本人です。でも、格好良い滑りだったので本当に良かったと思いますけどね。分かる人には分かるというか、彼自身が伝えたいスノーボードは伝わったと思います