フィギュアスケート男子で66年ぶりの五輪連覇を狙う羽生結弦(23)=ANA=が13日、メインリンクでの初練習で故障後初めて公の場で
4回転ジャンプに挑み、サルコーとトウループを合計5回成功させた。フリー「SEIMEI」の曲かけは2種類4本の構成で滑走。海外も含め
150人近い報道陣が集結した会見では「何も不安要素はない。クリーンに滑れば絶対に勝てる自信がある」と力強い言葉を並べた。
男子ショートプログラム(SP)は16日に行われる。

 5本のジャンプで体を温めた羽生の目つきが変わった。練習開始16分。加速をつけ、平昌で初の4回転を踏み切った。軸の細い美しいトウループを決め
切った。この日挑んだ8本の4回転のうち5本を成功させた。立ち見続出の会見場では、強気な言葉を並べた。

 「クリーンに滑れば絶対に勝てるという自信がある。クリーンに滑るプログラムを何にしていくかっていうのは、これから徐々に調子を上げていく中で
決めたい」

 この日のフリー「SEIMEI」の4回転はサルコー、トウループの2種類4本の構成だった。「まだ調整段階」と強調しつつ「自分の中で計画がある。
その計画に沿って臨機応変にピークをつくっていきたい」。ループを構成に入れるかについては「作戦がすごく大事だと思っている。本当にたくさんの選択肢が
ある」と話すにとどめた。

 フリーの4回転は4本が濃厚。同じ「SEIMEI」を滑り、3本の4回転で219・48点と当時の世界最高得点を記録した15年GPファイナルより
ジャンプの基礎点は2・2点高い。羽生の昨季後半戦以降4試合のジャンプ加点平均は1・2点。前戦のロシア杯の採点をベースにして、この日の構成に
1・2点を加えると207・33点になる。

 SPは112・72点の世界最高得点を記録した今季初戦のオータム・クラシックと同じ構成とみられ、単純に足すと320・05点。最大3・0点の
出来栄え点を引き出すことも可能なジャンプがあれば、そこからの上積みも可能だ。2種類4本の構成でも、十分に金メダルが狙える。

 昨年11月に右足首を負傷し、2か月間氷に乗れない日々を過ごした。「治るんだろうかと考えたときもたくさんあった」。3回転は3週間前、
4回転は2週間〜2週間半前に跳び始めた。「キツい時期だったけど、五輪で、それもメインのリンクで滑ることができてうれしく思う」

 リハビリ中は温かい言葉に何度も励まされた。会見の締めの言葉は「ありがとうございました。カムサハムニダ。サンキューベリマッチ。シェイシェイ。
メルシー。スパシーバ」と、6か国の言葉で気持ちを伝えた。「夢に描いてきた舞台で、夢に描いた演技をしたい」。感謝の気持ちを滑りで見せ、
66年ぶりの偉業を勝ち取る。(高木 恵)

スポーツ報知
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