ショートトラック代表 ドーピング陽性で資格停止
2月13日 12時07分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180213/k10011326881000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002

JOC=日本オリンピック委員会が13日、ピョンチャンで会見し、スケートショートトラックの日本代表の齋藤慧選手が大会のドーピング検査で陽性反応を示していたと発表し、CAS=スポーツ仲裁裁判所から暫定的な資格停止処分を受けました。

これは13日、日本選手団の齋藤泰雄団長がピョンチャンで記者会見して明らかにしました。

それによりますと、齋藤選手が今月7日に行われた競技前のドーピング検査で利尿作用のある禁止薬物、アセタゾラミドに陽性反応を示し、その後の再検査でも陽性だったといういことで、CAS=スポーツ仲裁裁判所から暫定で選手資格の停止処分を受けたということです。

齋藤選手は、暫定の処分を受け入れてすでに選手村を出ているということですが、JOCに対しドーピングをしていないと話しているということです。

齋藤選手は、JOCを通じて「このような検査結果が出たことに大変驚いている。自らの意志で何らかの薬物を摂取したという事実はありません。けがをしたときや体調を崩したときの薬は事前に専門家に相談していたし、日常の食事や飲み物にも気をつけていた。この薬を使用するメリットも動機も私にはない。偶発的に起きた出来事により、無自覚のまま口に入ってしまったものだとしか考えられない」とコメントしています。

齋藤団長は「このような事態に至ったことは極めて残念だ。暫定的に資格停止を受け入れるほかに選択しがなく、苦渋の選択だった。ドーピング違反の有無は、大会終了後に審議されるので、本人の意思を尊重し、日本スケート連盟とも協力しながら今後しっかりと取り組んで参りたい」と話していました。

齋藤選手は、13日に行われる男子5000メートルリレーの控えの立場の選手で、神奈川大学4年の21歳で、世界ジュニア選手権では3000メートルリレーのメンバーとして3位になったことがあり、今回、オリンピック代表に初めて選ばれました。

ドーピングをめぐっては、カヌースプリントの選手がライバル選手の飲み物に禁止薬物を入れた問題を受けてJOCは、加盟する競技団体に再発防止を呼びかけていたところでした。

アセタゾラミドとは
齋藤慧選手から検出された禁止薬物「アセタゾラミド」は、緑内障やてんかん睡眠時無呼吸症候群などの治療に用いられる利尿作用がある薬剤です。

WADA=世界アンチドーピング機構が定める国際基準のなかで利尿薬であることに加え、ほかの禁止薬物を隠匿する効果のある薬物として禁止薬物に指定されています。

JOCによりますと日本国内では処方箋が必要な医療用医薬品として販売されているものの、薬局やドラッグストアなどで一般に購入することはできないということです。