潔すぎて泣ける

 有賀さんは病気を誰にも伝えず、闘病生活を送っていた。周囲から痩せすぎを指摘されると「ダイエット」と言い、病気の治療によって少なくなった頭髪を隠すためのかつらも「すごく便利」と周囲に話していたという。
今年に入り心配した洋さんが検査を勧め、先月中旬に入院。亡くなる3日前に洋さんは見舞っていた。「痩せ衰えてはいたが、検査入院だと思っていた。
そろそろ退院かと思っていたので、全く予想外。電話を受けたときは、わが耳を疑った」と振り返った。そして「父親として本当に彼女らしい人生だったと思う。
自分の意志で全て1人でやって来た。その強さ、独立独行してきた人生。少し早すぎますが、本当にありがとうございます」と、誰からも愛された愛娘を思いやった。

 周囲に病気を告げなかった有賀さんだが、病状の重さは悟っていた。仕事は昨年末までにすべて整理し、年明けのオファーなどは、家族の介護などを理由に断っていたという。
関係者によると、銀行口座をはじめ、本人でないと解約できない各種口座などを整理していたといい、残された人間に迷惑がかからないようにしていた。
ただ、残される長女のことは最後まで気にかけていたという。