八角執行部と対立し、日本相撲協会の理事選(2月2日投開票)に再起をかけて臨んだ貴乃花親方だが、結果は大惨敗に終わった。

ただ、敗れはしたものの、貴乃花親方はまだ45歳。知名度は角界でナンバーワンだ。元NHKアナウンサーで東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博氏はこう言う。

「貴乃花親方が結果を謙虚に受け止め、今度は阿武松さんを中心にまとまっていけば、新しい道も開けるでしょう」

元横綱日馬富士の暴行問題で露呈した角界の隠蔽体質を「改革」する役割を貴乃花一門で担ってほしいという相撲ファンも多いだろう。

貴乃花親方自身も理事選への立候補を表明した2月1日、自身のホームページでこう訴えている。

<いま相撲界では、過去の反省を顧みない度重なる暴力事件や不祥事により、国民の皆様の期待を大きく裏切り、社会的な信用を損なった結果、組織としての公益性や透明性が大きく問われております>

だが、そんな貴乃花親方をめぐり、耳を疑う証言が裁判所で飛び出していた。

問題の裁判は、貴乃花部屋に所属していた元幕下力士・貴斗志が2014年10月に貴乃花親方によって引退届を出されたことを不服とし、日本相撲協会に対し幕下力士としての地位確認等を求めているもの。

昨年3月に一審で原告側が敗訴し、現在、東京高裁で控訴審が行われている。

本誌が注目したのは、この控訴審に原告側から提出された貴乃花部屋出身の元力士A氏の陳述書だ。A氏は貴乃花親方の付け人をしていた現役時代を振り返り、部屋内でのいくつかの暴力沙汰について証言している。その中で、「師匠からひどい暴行を受けたこともありました」と語っている。

陳述書によると、事件があったのは13年11月の九州場所中のこと。貴乃花親方が急遽、審判部長の代理をすることになり、A氏は紋付き袴のアイロンがけを命じられた。ちゃんこの準備などの仕事もあり忙しかったA氏は、本来の仕事である衣類の洗濯を、同期の力士に依頼。ところが翌日、A氏は貴乃花親方から呼び出された。その時のやり取りはこうある。

<ちゃんこの準備をしていると、師匠から呼び出され、洗濯ものがない、着るものがない、と言われました。調べてみると頼んだ同期の力士が洗濯を忘れてしまい、洗濯前の衣類が下の階に置いてありました。私がそのことを師匠に報告し謝ると、師匠は私の胸ぐらをつかみ、まず平手で10発くらい往復ビンタし、その後、こぶしで私の顔面を10発以上殴りました。私の口の中は切れ、血しぶきが飛び、師匠の部屋の壁と下着姿の師匠のTシャツに血がついたのを、私はみました>

A氏はさらに、貴乃花親方が指輪をつけた拳で他の力士の顔を殴り、その力士が出血したこともあった、とも証言している。

また、A氏は元日馬富士の暴行事件では被害者となった貴ノ岩から暴行を受けたと証言している。(以下省略)
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ソース/AERA dot
https://dot.asahi.com/wa/2018020500008.html?page=1