白鵬(32)が休場すれば、稀勢の里(31)は平幕の嘉風に押し倒されて早くも4敗目で5場所連続の休場。波乱の続く大相撲1月場所5日目のこの日、土俵の外でもちょっとした話題があった。

 貴乃花親方(45)が部屋のホームページを更新、暴行事件の被害者である弟子の貴ノ岩(27)が3月の春場所での復帰を目指していることを明らかにした。

 貴乃花親方が貴ノ岩の様子などに関して公の場で説明したのは初めてのこと。「これから本人に未来を切り拓かせるためには、今回の事件を乗り越え、精神的肉体的な懸念を克服し、後遺症の恐怖にも打ち勝たなければなりません。そのための指導は、惜しむことなくして参ります」などとつづっているが、これに反応したのが協会内部の親方たちだ。

「弟子を守るとか、指導は惜しまないなんて、よく言いますよ」と、親方のひとりがこう言った。

「親方は通常、部屋で弟子たちと寝食を共にします。それこそ朝稽古に始まって夜寝るまで弟子たちの面倒を見る。弟子の日常まで把握しなければ本当の意味での教育はできないし、弟子の行動に関しては責任を負う立場にあるからです。けれども、貴乃花親方は通い。品川の自宅から江東区の貴乃花部屋に通っているのです。よんどころない事情があって部屋に通っている親方も中にはいますが、ほんのひと握り。というか、通い親方なんてほとんどいません。貴乃花部屋であんな事件が起きたのも、親方の目が行き届いていない何よりの証拠ですよ」

 親方の言う「あんな事件」とは昨年暮れの12月29日、新三役の貴景勝、貴公俊・貴源治の兄弟が銀座の繁華街をジャージー姿でウロウロ。あろうことか師匠の貴乃花親方が理事解任提案された翌日、服装規定違反の失態をしでかし、年明けの稽古総見で春日野理事から叱責された一件のことだ。

「弟子たちの失態は、はっきり言って貴乃花親方の指導力不足、通い親方の弊害さ」と、親方連中のひんしゅくを買ったのは記憶に新しい。

■防犯カメラで弟子の様子を監視か

 貴乃花部屋に関していえば、こんなウワサもある。2016年に中野から現在の江東区に移転。その際、改装工事に関わった関係者がこう言った。

「部屋には、いくつか防犯カメラが備え付けられているといいます。もちろん、防犯上の目的でしょうけど、カメラは部屋の内部にもあるというのです。だとすれば、別の場所にいても、内部の様子が分かることになります」

 あるテレビ関係者によれば、「他に大切な用事があるのか、貴乃花親方は部屋に行かないこともある」そうだ。まさかカメラがあるから部屋に行かないなんてことはないだろうが、用事があるときは、別の場所から防犯カメラで弟子たちの様子を監視しているのかどうか。いずれにせよ、弟子たちがハメを外した一件ひとつとっても、住み込みの親方と比べて目が行き届いているとは言い難い。弟子たちの不始末は、貴乃花親方の師匠としての資質と無関係ではなさそうなのだ。

 貴乃花親方は4日の評議員会で、理事職を解任された。暮れの理事会では、理事・巡業部長として協会への報告義務を怠ったこと、危機管理委員会による調査への協力を拒否したことが問題視された。

 組織の要職に就きながら務めを果たさずに職を解かれたかと思えば、親方としても疑問視されている。

 貴乃花親方は角界を改革したい、膿を出し切るなどと言っているらしいが、組織人としても親方としても共感を得られない人が、どうやって角界を「改革」し、「膿を出す」のか。単なる不満分子という気もしてくるのだ。

1/20(土) 9:26配信
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