FAとなったダルビッシュ有(31)の去就を巡って6球団が争奪戦を繰り広げているが、その移籍先候補のひとつであるアストロズから異例のラブコールが届いた。

 ワールドシリーズでの“差別発言”で因縁となった元横浜DeNAで現アストロズのユリエスキ・グリエル(33)が「ダルビッシュがどれだけ凄い投手かは、みんなが知っている。アストロズで一緒にプレーできればうれしい。我々はより強くなるだろう」とコメントしたのだ。

 Fox26のマーク・バーマン氏のツイッターや、地元紙のヒューストン・クロニクル紙などが報じたものでグリエルは、アストロズのファン感謝祭の後でデナ・プロピス通訳を介して話したという。

 ダルビッシュとグリエルの因縁が生まれたのは、昨年10月27日に行われたドジャース対アストロズのワールドシリーズ第3戦。この試合にダルビッシュは先発したが、2回にグリエルに先制本塁打を許した。

 意気揚々とベンチに戻ったグリエルは、そこで調子に乗ったのか、チームメイトと談笑をしながら自分の両目を両手で横に引っ張り目を細めるような仕草をしたのだ。

これは日本人などアジア系の人々への差別と受け取られる行為で、大問題に発展した。

だが、ダルビッシュは、ツイッターで「パーフェクトな人間はいない。あなたも僕もそうだ。彼が今日やったことは正しいことではない。けれども、僕は彼を非難するよりも、学ぶように努力するべきだと信じている」と、寛大な姿勢を示し、グリエルも謝罪。

両者は和解したが、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは、今季の開幕から5試合の出場停止処分をグリエルに下していた。

 ヒューストン・クロニクル紙によるとグリエルはマイアミの自宅で、MLB機構による7、8時間の感受性を高めるための訓練を受けたという。

キューバから亡命してきたグリエルは、「(2016年に)この国に来た時は知らなかったことがたくさんあった。この感受性トレーニングは、米国生活で慣れるため、さまざまな分野で本当に役立ってくれると思う」と、話しており、2度と、差別問題を起こさないことを約束。ダルビッシュをチームに迎え入れる準備も整っている。

 アストロズのフロント幹部は、すでにダラスにダルビッシュを訪ね、直接面談交渉を行っていて、同紙も「アストロズは、ダルビッシュの契約先候補の5、6球団の1つ」としている。

 ただ、ダルビッシュの去就を巡っては、最終候補に残った6球団が水面下で熾烈な争いを続けており、予断を許さない状況。先日も、「ダルビッシュの移籍先候補はレンジャーズ、カブス、アストロズ、ツインズ、ヤンキースの5球団」と報じられると、つかさずダルビッシュ自身が「もう1球団加わっている」とツイート。

 さらに「ヤンキースが7年1億6000万ドル(約177億円)の巨額オファーをしながらも、48時間以内に合意に達しなかったので白紙に戻した」ことが報じられると、またダルビッシュが、「オファーはまだない」「いやあったが金額が正しくない」と、反論するなど移籍情報が錯綜している状況となっている。

この日、そのアストロズが、パイレーツのゲリット・コール投手を複数トレードで獲得したことを発表した。アストロズは大物右腕を獲得したことでダルビッシュ獲得レースから撤退することが有力になった。グリエルのラブコールは空振りに終わりそうだ。

1/14(日) 7:18配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180114-00000002-wordleafs-base