小林よしのり

(前略)ときどき大阪のよしもとを見に行くが、有名な芸人でも、以前爆笑したネタと
同じものをやっている場合は笑えない。
次々に新しいネタを考えるのは難しいのだろう。
ただし、アホの坂田だけは別格だ。
アホの坂田は飽きないし、ネタ以前のアホの真髄を極めた人間の可笑しさだ。
これは一代限りの芸で、誰も越えられない。
生身の人間でアホの坂田を超える芸人は出て来ないだろうから、
わしが漫画で坂田超えをしたいと思っている。
だからわしはギャグ漫画を描き続けなければならない。
最近、よしもとは芸人を抱えすぎて、活躍の場が足りなくなったのか、
ワイドショーのコメンテーターに売り込んだり、政治評論家にしようとしたり、
場を広げるのに躍起になっている。
もともと頭が悪いから芸人になったはずなのに、
ワイドショーや政治評論で、善人ぶってる芸人を見ると、ムカムカして、
奴らが滅びるのも間もなくだと予感がする。
芸人なんて河原乞食の末裔のくせに、常識振りかざして、コメンテーターしたり、
超未熟な政治知識で正論こいたりしてるのを見ると、吐き気がする。
わしは「坂田超え」のために、もう一度、ギャグ漫画を復活させたい。