http://www.nikkei.com/article/DGXMZO25694760V10C18A1CC1000/
ムーミン舞台のセンター試験設問に疑問 阪大研究室
2018/1/15 18:26 (2018/1/15 19:03更新)

大学入試センター試験の地理Bで人気キャラクターのムーミンを取り上げた問題について、
大阪大大学院のスウェーデン語研究室は15日、
ムーミン谷がどこにあるかは原作に明示されていないとして
「舞台がフィンランドとは断定できない」との見解を明らかにした。

正解とされたフィンランドの在日大使館は「皆さんの心の中にある」としている。

試験問題では「ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション」として
ムーミンと「小さなバイキングビッケ」を挙げ、
例示した両国の言語との正しい組み合わせを選ぶよう求めた。

古谷大輔准教授(北欧史)は「スウェーデン語系フィンランド人作家が
スウェーデン語で書いた一連の物語の舞台は、架空の場所のムーミン谷とされる。
フィンランドが舞台だと明示されていない」と指摘。
「ビッケもノルウェーが舞台とは断言できない」とし、
研究室として、舞台の国を特定した根拠の説明を求める意見書を近く同センターに提出する。

古谷准教授は「センター試験の社会的信用を維持するためにも根拠を示してほしい」と話す。

同センターの担当者は取材に「意見書の内容を見て対応を検討する」としている。
在日フィンランド大使館の広報担当者は「ムーミンが注目されることはうれしい。
ムーミン谷は物語を愛する皆さんの心の中にある」とコメント。
在日スウェーデン大使館の広報担当者は「北欧が取り上げられ、
旅行先として周知されるのは喜ばしい」としている。〔共同〕