漢検、池坊保子理事長を“解任” 協会内の内紛か

 財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区)は5日、臨時理事会を開き、池坊保子理事長(68)が任期途中で退き、高坂節三専務理事(74)が理事長に就任したと発表した。いずれも同日付で池坊氏は事実上の解任とみられる。

 池坊氏は理事会に欠席したが、4日に都内で記者団に「辞めさせられる理由はない」と言及、訴訟を検討する意向を示しており、協会関係者は「内紛」を指摘している。

 協会本部で会見した高坂氏は、理事長交代の理由について「池坊氏は衆院議員の仕事が忙しく、京都に常駐できないため」と説明。理事9人中6人が出席(うち1人は委任状委託)し、全員が交代に賛成したという。

 池坊氏の協会運営については「反発や対立はなかった。池坊路線を継承しつつ新たな事業に取り組んでいきたい」と話した。

 しかし、池坊氏の運営をめぐっては昨年10月、親族の関連施設で展覧会を開催し、文部科学省から「(協会の金を理事長自身の利益にする)利益相反行為と取られる可能性がある」と指摘されていた。

 ある協会関係者は「池坊氏はワンマンで、不満がたまっている人は多かった。今回の決定は協会内部のクーデター。池坊氏は地位保全を求めて提訴するのではないか」と話しており、問題は尾を引きそうだ。
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