1月4日、中日ドラゴンズの元エース・監督で、阪神タイガースや東北楽天ゴールデンイーグルスでも監督を務めた星野仙一氏が死去した。
享年70歳、“闘将”のあまりにも早い死に、各メディアは大きくその栄光の実績を報じている。

なかでもやたらと目に付くのが、その“熱血”ぶりだ。
特に中日での第1次監督時代は星野氏が血気盛んなころだった。
ベンチ裏で容赦なく選手を殴ったエピソードなどがニュースとなっているが、インターネット上ではこれらの暴力話を“美談”として報じるメディアに対して批判的な意見が広がっている。

「コメンテーターとしてワイドショーに出演した元プロ野球選手の山崎武司は、中日や楽天で星野氏と一緒だったということもあり、追悼の意を表していました。
しかし、いまでも“犬猿の仲”だというのがその態度からも分かりましたね。
中日時代に星野氏から『このチームを奈落の底に落とす選手がいる』と言われ、オリックス・ブルーウェーブにトレードに出された過去があり、以降ずっと確執が続いていました」(スポーツ紙記者)

実際に、星野氏のことを快く思っていないプロ野球関係者は多いという。
また、当時の暴力を交えた監督としての姿勢が大きく報道されることを不安視する意見は多い。

「“燃える男”として、熱血指導が美談として捉えられていますが、ネット上では『そんな話ばかり持ち上げていると、子供の“野球離れ”がさらに加速してしまう』と危惧する声も上がっています。
実際、いくら過去の話とはいえ、野球にマイナスのイメージが付くと恐れている少年野球指導者もいるようです」(同・記者)

■根性論や鉄拳制裁はあってはならない時代

昨年8月27日、星野氏はU‐18高校日本代表対大学日本代表戦を観戦した際、当時、まだ高校生だった清宮幸太郎に会い「なんでお前が選ばれてるんだ?」と笑いながら頭をたたいたことがあった。
その際、周囲の人間は内心かなりヒヤヒヤしていたという。明らかに冗談と取れる行為であっても、暴力と見られる行為はいまの時代では、こういった行為は容赦なく咎められる。

「現代の指導法は野球にかかわらず、すべてのスポーツ競技において昭和のやり方とは異なっています。
高度なスポーツ科学を取り入れ、短時間で効率良い練習をしながら技術を高めていく方法が主流で、根性論や鉄拳制裁などは間違ってもあってはなりません。
もちろんだからといって、星野氏の栄光が曇ることはありませんが、星野氏の死はひとつの時代の終わりが来たことをあらためて知らしめた出来事だったのかもしれません」(同・記者)

星野氏も野球のさらなる発展を雲の上から見守っているであろう。

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