長年に渡り、プロ野球中継を続けてきたTBSラジオが今季限りで撤退する。1952年3月にスタートした同局のプロ野球中継の8割を巨人戦が占め、解説陣も衣笠祥雄氏や佐々木主浩氏らを擁し豪華な顔ぶれを揃えていた。

もっともTBSラジオの入江清彦社長は、先頃の定例会見で、「まだ結論は出ていない」と語ってはいるものの、テレビ界や広告界において中継打ち切りは既成事実として捉えられているのだ。
 
「今季限りで撤退するのは確実。もう支えられないというのが本音なんです。昨今、野球中継の聴取率低下で頼みだった巨人人気も急落。平行して広告収入も激減した。おまけに各球場のラジオ用ブースの使用契約料も年間100万円近くも掛かりバカにならない。完全な赤字コンテンツなんです」(TBS編成関係者)

 さらに今回、中継を打ち切りにした最大の要因は、巨人主催試合の中継権料のバカ高さにあるという。

 「中継権料は局によって違う。言い値を支払っているのがNHKと日本テレビです。テレビは億単位、ラジオも年間、1000万円以上の中継権料を支払っているんです」(制作幹部)

 ちなみにラジオの野球中継の制作費は1本当たり10万円程度。これに解説者のギャラなども入れると一気に100万円近くに膨れ上がるという。すでに巨人戦を巡るメディア不況はラジオだけでなく、テレビ界にも浸透し始めている。

 「日テレでさえ、あまりの中継権の高額さに尻込みし、地上波のゴールデン&プライム帯の番組編成から削除しはじめたんです。もちろん視聴率が取れれば何の文句もないんですが、シングルがいいところ。それだったら、制作費のかからないバラエティー番組を放送すればいいということになる」(テレビ関係者)

 巨人軍の中継が、完全になくなる日がやってくるかもしれない。

1月11日 週刊実話
https://news.nifty.com/article/sports/jitsuwa/12151-14512/