https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180111-00000013-ykf-spo
カヌー薬物混入の鈴木康大、逮捕の可能性も 北京、ロンドン、
リオも逃し… 五輪入賞の妻に引け目

警察も捜査に乗り出した。“第2の故郷”の福島県で恵まれた環境だった
鈴木選手だが、「焦り」や「プレッシャー」にさいなまれていた様子も浮かぶ。

昨年9月に石川県で開催されたカヌー・スプリントの日本選手権で鈴木選手は、
優勝した小松選手の飲料に筋肉増強剤メタンジエノンを混入させた。小松選手
はツイッターで「パドルが無くなりました」と盗難被害も明かしている。

 石川県警は禁止薬物混入のほか、競技で使用するGPS発信機の盗難で小松
選手から被害届を受理し、傷害や窃盗容疑で捜査。容疑が固まれば逮捕となる
可能性もある。

 鈴木選手は千葉県出身だが、所属企業はカヌーで五輪入賞経験のある妻
(30)の父親が経営する福島県二本松市の工業機械メーカー。働いていた
スポーツクラブは同市内の新興住宅地の一角にあり、義父の2階建ての豪邸
に隣接している。

 スポーツクラブ関係者は「会員さんの評判もよかった。何でこんなことにな
ってしまったのか」と目をうるませる。近くに住む60代男性は「あいさつも
するし、ちゃんと話もする優しい子だよ。ニュースを見ても信じられなかった」
と話す。

 鈴木選手は妻との結婚を機に2012年に福島県カヌー協会に登録。北京、
ロンドンに続きリオ五輪も逃して引退した鈴木選手に再挑戦を促したのも妻だ
ったという。

 至れり尽くせりの環境だが、プレッシャーも感じていたようだ。13年に県
体育協会の冊子でインタビューに答えた鈴木選手は、妻の五輪入賞について「
自分はまだオリンピックに出場していないので頭が上がりませんが、オリンピ
ックに出場したいとの気持ちは以前にも増して強くなりました」と話している。

 鈴木選手の義父は報道陣に「実力が落ちてきたが、どうしても勝ちたいとい
う思いだったと聞いている」と明かした。

 「地元の(東京)五輪にぜひ出たいと焦りがあったと思う」(連盟の古谷利
彦専務理事)という鈴木選手だが、10年ごろから国内大会や日本代表の海外
遠征中にパドルの破損や紛失、現金の盗難などが度々発生しており、一部への
関与を認めている。魔が差したで済まされる問題ではない。