「チケットキャンプ」前社長 安室さんチケット転売目的購入容疑
1月11日 18時06分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180111/k10011285511000.html

チケットの転売を仲介するサイト「チケットキャンプ」に出品する目的を隠して、転売が禁止されている歌手の安室奈美恵さんのコンサートチケットを不正に購入したとして、サイトを運営する会社の前の社長と大阪の業者の男らが詐欺の疑いで書類送検されました。

書類送検されたのはIT大手「ミクシィ」の子会社でチケットの転売仲介サイト「チケットキャンプ」を運営する「フンザ」の笹森良前社長(38)と、大阪・中央区のチケット転売業者の男ら合わせて4人です。

京都府警察本部によりますと、4人は去年9月に沖縄で行われた安室奈美恵さんのコンサートチケット2枚について、転売が禁止されていると知りながら「チケットキャンプ」に出品する目的で不正に購入したとして詐欺の疑いが持たれています。

出品された2枚のチケットは定価の合計が1万9600円ですが、「チケットキャンプ」では3万4000円で転売されていたということです。

調べに対し4人はいずれも容疑を認め、笹森前社長は「チケットが不正に購入されたことを知ったうえで出品を依頼した」などと供述しているということです。

「チケットキャンプ」をめぐっては、大量に買い占められたチケットが高値で転売されるケースが相次ぎ、社会的な非難が高まっていたことなどを受け、先月、笹森前社長が引責辞任し、ことしの5月末でサービスを終了すると発表しています。

◆ミクシィ「リスク管理体制の見直し続ける」

子会社の前の社長が書類送検されたことを受けてミクシィは「関係者にご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわびしたい。今後もリスク管理体制の見直しを続け、信頼の回復に取り組んでいきたい」とするコメントを発表しました。

◆転売商法の実態は

「チケットキャンプ」は、チケットを出品する人と購入する人の両方から手数料をとることで利益をあげてきました。

一方で、サイトの人気を上げて会員を増やそうと大量に出品する業者に対しては、手数料を減額したり免除したりするなど優遇措置をとっていました。

警察によりますと、今回、摘発された大阪の業者は2年余りで30億円以上を売り上げるなど最も大口の出品者の1つで、手数料は全額免除されていたということです。

警察は、この業者が転売を目的に大量の出品を繰り返した上、「チケットキャンプ」側もこうした不正を知りながら優遇措置をとり、出品を依頼していたと見ています。

インターネットの転売仲介サイトを利用したチケットの不正転売をめぐっては、東京オリンピック・パラリンピックを前に、法律で規制すべきだという声が上がっています。

◆参考画像
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