視聴率が最も影響してくるCM、それが“スポットCM”だ。
“スポットCM”とは、期間・CM放映可能時間・可能番組等を指定し放映するもので、「二十日三十日は5%オフ」といったものや“新商品発売”などはスポットCMであることが多い。
このスポットCMは、短期的に、大量に出稿することによって爆発的に世の中に商品を知らしめることができる。

このスポットCMこそが、テレビ局の売上を伸ばすことのできるものなのだ。
それは、スポットCMが“テレビ局から、視聴率を買う”という考え方だからである。

まずスポンサーがスポットCMを流したい時、テレビ局から見積もりを取る。
この見積もりは「何月何日から何月何日までの間で何時から何時の間にCMを流したい」という条件で提出される。
テレビ局から提出される見積もりは「その条件ならウチの視聴率1%につき、○○万円です」というものである。
仮に1%あたりのコストが10万円だとして、スポンサーが1000万円の発注をしたとしよう。
そうすると、テレビ局はスポンサーのCMを視聴率100%分放映しなければいけないことになる。

例えば“月9”の視聴率が15%だとすると、その中で1本CMを流せば100%中の15%を消費することになる。
CMを流すポジションをパズルのように組み立てていき、スポットCMというビジネスは成り立っている。
しかし前述したように、テレビ局はCMを流していい秒数が決まっている。
つまり売上を伸ばすには“売り物=視聴率”を伸ばすしか方法はないのだ。