【話題】「長すぎて挫折した連載漫画は?」4位は『コナン』、2位は『美味しんぼ』、1位は?
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2018年1月11日 8時43分
昨年12月、『少年サンデー』連載中の人気漫画『名探偵コナン』の最大の謎のひとつである黒の組織のボス“あの方”の正体が明かされ、大きな反響を呼んだ。と同時に、作者の青山剛昌の病気療養と充電のため長期休載も発表された。
ネットには「寂しい」「残念…」といった声があふれるなか、一部では長期化する連載に対して、「黒幕の正体ようやくかよ…」「昔は好きだったキャラがどんどん意味のわからん化物になっていく」といった意見もあった。
◆連載の長期化に嘆きの声も…
そこで、日刊SPA!では男女110人を対象に「長期連載漫画のなかで、読むのを挫折した作品は?」というウェブアンケートを実施。読むのを断念した作品と、その理由を教えてもらった。長期連載の対象はシリーズものを含めて“原則”50巻以上刊行した作品にした。
まずは少数ながらも、漫画ファンならではの意見が多く寄せられた作品たちを紹介したい。
◆『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/シリーズ累計121巻)
「ジョジョファンだけど、6部の脱獄後あたりから、バトルが難解すぎて理解できなくなった。特に重力のスタンドやおとぎ話の主人公が出てくるあたりとか、理解するのはムリゲーだった」(41歳・男性・大阪)
◆『キン肉マン』(ゆでたまご/60巻)
「王位継承あたりから、ちょっと無理を感じるようになった。キン肉マンの柄違いが何人もいるってどうなん!?笑」(44歳・男性・新潟)
◆『BLEACH』(久保帯人/74巻)
「49巻から物語が急激に失速した。初版発行部数の低迷が目に見えるようになった頃でもある。10年も連載すればそんな時期もあるかと思うが、結局盛り返さなかった」(30歳・男性・広島)
「編集部の意向もあって、連載を続けざるを得なかった作者はかわいそうだが、同じようなバトルの繰り返しで飽きてしまった」(29歳・男性・東京)
◆『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治/200巻)
「初期の頃はまだ生まれておらず、1巻から読もうと思ったが時代背景がわからず生まれる前で挫折」(33歳・男性・東京)
◆『犬夜叉』(高橋留美子/56巻)
「高橋先生の絵のタッチは好きだが、さすがに長すぎてついていけなかった」(28歳・女性・長野)
「単調で延々とぐずぐずしている人間模様にギブアップ」(29歳・男性・長崎)
◆『ふたりエッチ』(克・亜樹/73巻)
「飽きた、展開が読めた」(43歳・男性・静岡)
『ふたりエッチ』に展開の意外性を求めるのはお門違いという気もするが…。連載の長期化にともない、展開についていけなくなったり、人間関係が複雑化しすぎているという意見が多かった。
では、続いて「読むのを挫折した」という声が多かった上位5位を紹介したい。
(続く)
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/14141738/ >>1
(続き)
◆5位『ガラスの仮面』、『彼岸島シリーズ』(4票)
まずは同率で5位となった2作品を紹介する。
1作目の5位は『ガラスの仮面』! 累計発行部数は堂々の5000万部超で、平凡な一人の少女・北島マヤがさまざまなライバルや仲間との出会いを経て、芝居の才能を開花させていく美内すずえの代表作だ。アニメ化や舞台化もされていて、芸能界にも熱心なファンが多い。
発刊は49巻ながら1976年に連載スタートし、一度は完結したものの、現在まで実に40年以上にわたって壮大な成長譚を展開してきたのは著者の実力のなせる技だろう。しかし、そんななか寄せられたのは一時休載による弊害なのか、こういった声だった。
「ストーリーを忘れてしまい、続きを読む気になれなくなった」(40歳・女性・石川)
「途中で一時連載が終了してしまったので、その後の話を気にならなくなった」(43歳・女性・埼玉)
また、「作者が新興宗教に転向したから」(42才・男性・神奈川)という声も。ただでさえ、続きを心待ちにしているファンとしては創作に無関係な活動にモヤモヤさせられるのかもしれない。
2/2ページ そして、同率5位となったのは『彼岸島シリーズ』! 『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2002年から『彼岸島』『彼岸島 最後の47日間』『彼岸島 48日後…』とタイトルを変えながら現在まで連載している。吸血鬼に支配された孤島で、主人公と吸血鬼や彼らが操る異形の怪物とのバトルを描く松本光司の代表作だ。
挫折した主な意見としては、
「絵面が疲れる。テイスト陰鬱。話の筋が変わって注意を保てない」(40代・女性・神奈川)
「話が進展せずつまらないから」(47歳・男性・愛知)
「作品名がコロコロ変わるのはどういう編集の意図なのかわからず、イライラするから」(43歳・男性・東京)
と、そのストーリー展開にがっかりしたというものだった。
◆4位『名探偵コナン』(6票)
そして第4位にはなんと、冒頭でも紹介した『名探偵コナン』がランクイン。主な意見は次のとおり。
「内容も繰り返しで面白くなくなったから」(40歳・男性・大阪)
「物語の核心に近づかないので、飽きてしまった」(36歳・女性・神奈川)
「『サンデー』にとって大切な作品なのはわかるが、小学館がいつまでたっても終わらせようとしないから」(38歳・女性・宮城)
「編集部が結末を引っ張りすぎていて疲れてしまった」(32歳・男性・埼玉)
こちらも先ほどの2作品と同様、なかなか核心に迫らないストーリーへの批判が多く寄せられた。
◆3位『はじめの一歩』(7票)
いよいよベストスリー。第3位は森川ジョージの『はじめの一歩』だった。
1989年から『週刊少年マガジン』で連載開始し、現在まで続く人気ボクシング漫画だ。累計発行部数はなんと9400万部! しかしながら、
「ゴールがわかっているのにいつまでたってもゴールに向かおうとしない」(48歳・男性・広島)
「つまらなくなった」(50歳・男性・東京)
「読む機会がなくなった」(58歳・男性・静岡)
といった批判の声と、それに交じって、
「狭い家に引っ越して単行本が置ききれなくなってしまった。そのうえ、電子書籍の配信を中途半端に打ち切られて信頼をなくした」(47歳・女性・東京)
というように出版社の対応に不満を抱くような声が寄せられた。
(続く) >>3
(続き)
◆2位『美味しんぼ』(10票)
そして第2位に選ばれたのは『美味しんぼ』! 1983年より『ビッグコミックススピリッツ』に連載している、雁屋哲(原作)と花咲アキラ(作画)によるグルメ漫画だ。
これまで111巻まで刊行され、累計部数は脅威の1億部超。しかしながら、連載が長期化することに対して、ファンからは容赦ない声が寄せられた。
「90年代頃までは面白かったのに、ここ数十年は内容が今までと全然変わってしまった」(47歳・男性・愛知)
「つまらなくなったから。編集が著者をしっかりコントロールできていないのでは?」(52歳・男性・岩手)
「もともとあった雄山との確執というマンガのアイデンティティが失われた」(33歳・女性・佐賀)
作品のマンネリ化を批判するだけでなく、そもそもの作風や物語のテーマ変化に対する不満の声が多かった。確かに同作は当初のグルメ漫画から徐々に社会問題なども扱うように路線変更。そんなか、福島原子力発電所事故の被害を揶揄した表現を掲載し、批判が集まったことは記憶に新しい(2014年22・23合併号「福島の真実」)。
◆1位『ワンピース』(24票)
圧倒的得票数で第1位に選ばれたのは『ワンピース』! 1997年より連載スタートし、現在までに国内での累計発行部数は3億6000万部、全世界では4億3000万部を突破した国民的漫画だ。
掲載されている『週刊少年ジャンプ』歴代作品の中では『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に次いで第2位の長期連載だ。同作に対してはそのキャラクターの多さやテンションの高さに対する不満の声が。
「次から次へと新キャラが出てきて覚えるのが大変」(42歳・女性・三重)
「ストーリーがつまらなくなった。涙の押し付けの連続で辟易した」(36歳・男・埼玉)
「話がくどい、キャラクターが多すぎてついていけない」(50歳・男性・東京)
「ドラマが多すぎて感情が疲れてしまった…」(30歳・女性・埼玉)
「終わる様子がなかったので」(30歳・女性・大阪)
「雷?の神様(註:スカイピアの神 エネル)あたりで挫折。キャラクターを把握した頃に次から次へと新キャラが出てくるので、心底疲れる」(39歳・男性・東京)
ただし、他の作品に対しては「つまらなくなった」「話が展開しない」といった大雑把な声が多数を占めるなかで、『ワンピース』に対しては具体的に問題点を指摘するなど、アツい意見が目立っていた。それだけ作品に対するファンの愛情の大きさの表れかもしれない。
とりわけ漫画連載の長期化が相次いでいる昨今、人気漫画家のみなさんにはこうした熱心なファンの声に応えられるよう、円満なラストをぜひお願いしたい。<取材・文/日刊SPA!編集部>
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