理事解任の全内幕 貴乃花親方シンパは“白旗”どころか続々離反

■大嶽、二子山両親方も……
 評議員会のメンバーは全部で7人。千家評議員と海老沢評議員は欠席したため、この日の出席者は5人。
このうち大嶽親方、二子山親方の2人は貴乃花親方のシンパといわれる。
仮に解任案に賛成か反対かで採決を取った場合、議長を除いた4人の投票となり、親方2人が反対すれば2対2。
議長決裁まで持ち込めたのに、貴乃花親方のシンパ2人は反対をしなかった。

 報道陣から「評議員に『この解任案でよろしいですか?』と聞いて、決まったのか?」と聞かれた池坊議長は否定し、こう続けた。
「大事なことなので、それはしませんでした。この解任案に賛成の方は挙手をお願いします、と言ったら、4方が手を挙げられた」
 要するに“身内”まで貴乃花親方の責任は大きいと判断、公然と意思表示をしたことになる。

■「何を言っても聞く耳をもたない」
 この日の評議員会に先立って行われた12月28日の理事会も、貴乃花親方の理事解任提案を「全会一致」で承認した。
 理事会に出席した貴乃花親方は当事者のため議決権がなかった。
それだけに現理事ではただひとりのシンパといわれる山響親方(元前頭巌雄)の言動に注目が集まったという。
山響親方の近くに座ったある理事が、理事会の様子をこう解説する。

「当日は貴乃花親方の責任は重い、理事職を解くのが妥当ではないかという流れになった。
ある理事が貴乃花親方に『理事を辞める気はないか?』と辞任を促したが、『ありません』という返事。
ならば解任でどうか、異議はないかと、議長の八角理事長は二度も三度も念を押した。
理事たちには異議を申し出る時間的余裕もあったのですが、どこからも反対の声は上がらなかった。
それでは全会一致になりますがよろしいですかという八角理事長の提案に対して、山響親方はうん、うんとうなずいていた」

 貴乃花親方と同じテーブルに座りながら、堂々と「解任」に賛同した山響親方の態度に違和感を覚えた出席者もいたそうだが、
「山響親方は親しい人に対して、貴乃花親方は何を言っても聞く耳をもたない、これではコミュニケーションの取りようがないという趣旨のことを話したと聞きました。
貴乃花親方と距離を置く決意を固めたようです。同じ出羽海一門から副理事になった玉ノ井親方(元大関栃東)も追従するでしょう」とは別の親方だ。

 この親方によれば、2月の理事選で貴乃花一派が集められるのは多く見積もって十数票とか。つまり貴乃花親方本人が理事になるのがやっとなのだ。
 すでに貴乃花親方とたもとを分かった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)、前回の選挙で貴乃花一派に票を投じた時津風一門の6親方、
さらに現理事の山響親方まで離反したとすれば、それも当然だろう。角界には「隠れ貴乃花派」の親方が多数いるという声もあるが、
隠れるどころか逆に貴乃花親方に刃を向ける親方が後を絶たないのが実情だ。
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