>>556
前田俊介がサンフレッチェ広島時代に出場機会を失っていた頃、当時監督をしていたペトロビッチから送られた言葉がある。

「シュン、お前にはよく考えてもらいたい。お前は日本サッカー界の中でも特別な才能を持った選手だ。
それなのに今、試合に出ていないのは監督のせいなのか?
少し前までお前と同じ場所にいた、お前と同じくらいの才能を持った選手たちは、
もう違うステージでプレーしている。その姿を見て、どう思っているのか。
お前は、3人ドリブルで抜いて4人目でとられる。
その後、カウンターで失点してもドリブルで抜けたことで満足している。
それはプロではなくアマチュアの発想だ。単に楽しくやっているだけだ。

お前にクサビのボールを入れて、周りは一生懸命走る。
40m、50m、時には80mも走ってくれる仲間がいる。
それなのに、お前はつまらないミスでボールを失ってしまう。
仲間の頑張りや走りを無駄にしているんだ。
ミスをしてボールを失ってしまうことは仕方がない。
でも、お前はミスして失った後、走っていた仲間のために80m走ってカバーしたことはあるか?
そうすべきだと思わないか? サッカーはチームスポーツなんだ。

(中略)

シュン、今日の練習の最初、ボール回しをやっただろう。あれは確かに遊びだ。しかし、ただの遊びじゃないんだ。
シュン、お前はあのボール回しの中で、ずっと中で鬼をやっていたな。悔しくないのか? ボールが取れなくて。
俺がお前なら、悔しくてスライディングしてでもボールを取りにいくぞ。
シュン、お前は素晴らしい才能を持っている。でも、これから成功するには、お前のそのアタマの中を変えないといけない。
そのために残された時間は、シュン、そんなにたくさんあるわけじゃない。お前は、もう特別に若いわけじゃないんだ。
走って走って、玉際でアグレッシブに戦え。そうすれば、いい選手になれる。
90分、いや100分、180分、戦い抜くくらいにやろう。」