3.メッセージの不在

この映画で描かれる主人公たちは平凡な高校生です。
そしてこの映画を観る人も高校生ではなかったとしても、
運命の相手というようなものを信じている人も多いことでしょう。
別にそこに文句はいいません。ですが、衝突も成長も努力もない、
あまりにも口当たりの良いストーリーとメッセージで、何を伝えているのでしょうか?私はこの口当たりの良さに薄ら寒さを感じてしまいました。

新海誠監督は、平凡だけど何にも努力や成長をしなくても、自分に奇跡が起こって運命の相手であるイケメンもしくはかわいい女の子と出会えるというような、
人の棚からぼた餅的な願望を満たしたいのかな、と勘ぐってしまったくらいです。

ただただ美しい物語と絵を見せたかったのでしょうか?
ただただ感動するような話を作りたかったのでしょうか?
正直この映画からは何のメッセージも受け取れません。
「結び」については劇中で説明があるので、そういった絆というようなことがメッセージなのでしょうか?であるならば、
家族間の絆や友人間の結びをもっと描かなければならないようにも思いますね。。