◇阪神・金本監督 落合博満氏と新春対談3

 ――藤浪投手をどう見ているか

 落合 あれ(藤浪の不振)はランニング不足。下半身が弱いと思う。コントロールのいい投手は、やっぱり走る。だから昔の投手がね、たとえば今50歳や60歳になった人にね、
キャンプの時に人がいないから、ちょっと投げてくれよと言って投げてもらうでしょう?乱れないもんね、1時間半投げても。ボールを投げることが終わってから10年、20年たっていても
下半身が乱れることがない。それは体が覚えているんだろう。自分に今、生きていくために必要なものを彼は早いうちからやらないと、このまま終わる気がする。死ぬまで…じゃないけど、
それくらいの覚悟をして、やらないと。もうちょっと下半身をいじめないといけないんじゃないの?

 ――藤浪投手は何が何でも復活させたい

 金本 そうですね。高校を出て、いきなり10勝、11勝、14勝で来て、それで僕が就任して…。僕は投手のフォームとかは一切言わないし任せっきりだったんですけど、まあ急に崩れてね。

 落合 だって、弱いもん。

 金本 今は投げ方を忘れている状態だと思うんですよ。

 落合 だから投げ方を完全に忘れさせるほど走らせないとダメだと思う。下半身を作らないと。投げる体力がないと思う。だから、どこかしら逃げている部分があるのではないかということを、
俺は否定しない。たとえば俺が監督をやっている時、キャンプで陸上競技場に行ったら、みんな嫌な顔をする。

 金本 僕もそうですね(笑)。

 落合 設定が高くなるからね。たとえば10本を走らないといけないとする。その時、いつも“コイツの持ちタイムはいくつ?”と聞くんだ。それで“平均○秒です”となれば、そこから3秒くらい
短縮してこないと1本とは数えないと言えば、彼らはちゃんと3〜4秒切ってくるからね。ということは手を抜いて走っているんだよ、ということになっちゃう。

 金本 まったく同じですね。(たとえば)鈍足の太った投手と藤浪が同じタイムなんです。おかしいだろう、と。藤浪は足が速いんですよ。

 落合 その投手(高橋)聡文だね(笑)。

 金本 いや、もっと若い投手です(笑)。でもタイムが同じなんで、藤浪は200メートルを涼しい顔をして走っているんです。片や太っている方は死にそうな顔をしているんです。
だから“タイムを変えろ”と言ったんです。

 落合 藤浪も、あの若さで今からやっておかないと。アメリカの投手も走るからね。メジャーの選手は昼まで練習して、午後は家族サービスで子どもを連れて遊びに行く。だからメジャーの選手は
練習をしないというふうにずっと言われてきていたけど、向こうの選手は朝4時、5時くらいから、人が来る前から走っているからね。人の見えないところで練習して。もしかしたら
ランニング量は向こうの選手の方が日本人より多いかもしれないよ。

 金本 ウチで一番、走るのはメッセンジャーですね。

 落合 そうだと思うよ。そうでないと、もたない。だからメッセンジャーなら、いっぱいお金をあげてもいいと思う。

 ――阪神は2年連続、広島に大差を付けられた。広島と阪神の差とは

 落合 俺は横一線と思っている。広島は、そんなに力があるわけではないと思う。おそらく周りからの先入観。そんなに差が付いているとは思っていないよ。マスコミに洗脳されているんじゃないの?
広島、広島って(笑)。

以下略 スポニチ
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