<全国高校サッカー選手権:一条2(3PK2)2桐蔭学園>◇2回戦◇2日◇等々力

14大会ぶり9度目出場の桐蔭学園(神奈川)は初戦の一条(奈良)戦で、終了間際に同点に追いつかれ、PKで敗れた。

FW森山(3年)の2得点で常に先手を奪いながら、後半ロスタイムに一条のFW相坂(3年)に同点ヘッドを許しPK戦に。
桐蔭学園は3人が決められず、2−3で初戦敗退が決まった。試合後の蓮見理志監督(34)は「最後まで勝ちきれないところに
甘さがあったと思います。けが人がいて層が厚くなかった。そういう中で、全国で1勝することの厳しさを感じました」と、
あと数十秒しのげば全国1勝までこぎつけながら、手からこぼれ落ちた勝利の難しさをかみしめていた。

桐蔭学園は李国秀監督(60)の方針で、本来は神奈川県大会も1、2年生チームが出場する予定だった。ただ、
当時の蓮見コーチが代理監督を務めることや、学校側の判断もあり、3年生20人と2年生3人からなる23選手で
県大会を勝ち抜き、14年ぶりの全国出場を勝ち取っていた。この日、主将を務めたMF金子(3年)は神奈川県大会
代表決定戦で桐光学園にPK戦の末に勝利した時、「選手権予選に出られないと言われた時は、何のために桐蔭に
来たのかと、やるせない気持ちになりましたが、3年生全員と、力を貸してくれた2年生とで、予選を戦ってきました」と、
厳しい条件の中で勝ち抜いたことを冷静に振り返っていた。

それだけに、この日の敗戦を受け入れることはできない様子で、試合後は「スタンドで応援してくれたみんなのことを思うと、
どうしても勝ちたかったです」と、顔面蒼白(そうはく)になりながら、必死に言葉を吐き出した。

蓮見監督も敗退と同時に、今後の身の振り方は白紙となる。「学園に残れないものと覚悟しています。今年の夏に(代理監督を)
引き受けると決めた時から、こうなることは覚悟していました。子どもたちが辛い思いをすることは見過ごせなかった。最後、
全国で1勝させてやりたかったです」と、両肩を落としながらも穏やかな口調だった。

既に1、2年生チームを指揮する李監督のもとでチームは練習をしており、今後は3年生チームに合流していた3人の2年生が
どういう形でサッカーをするか、学校関係者、部長、コーチ陣で話し合うことになる。極めて異例の形で県大会を突破した
桐蔭学園は、全国1勝を逃した中で、新しいスタートを切ることになる。

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