公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は21日、東京・JFAハウスで2017シーズンの『PUB Report 2017 winter』発行に関するメディアブリーフィングを実施。村井満チェアマン、原博実副理事長が登壇し、競技面とビジネス面の両側からシーズンを総括した。

今回のブリーフィングでは、まず原副理事長が競技面についての分析結果に触れた。一つの基準として目標に掲げたAFCチャンピオンズリーグ制覇を浦和レッズが果たしたことを高く評価。

明治安田生命J1リーグを1ステージ制に変更したことについては「チャンピオンシップの良さもあるが、今シーズンは最後の最後まで優勝争いが盛リ上がって良かった」と通年シーズンならではの魅力を見せられたことに満足げな表情を浮かべた。

JリーグYBCルヴァンカップ準決勝まで新たに導入した21歳以下の選手を先発起用しなければならないルール(U-21枠)も各クラブにポジティブな結果をもたらしたと話し、

「最初は『ポジションは自分で奪うもの』という否定的な意見が多かったが、レギュレーションに従って使っていくことで若手選手たちがチャンスをつかんだ。柏レイソルの手塚康平選手はルヴァンカップの活躍からリーグ戦でスタメンを勝ち取った」とコメント。来シーズンは決勝でもU-21枠を採用したい意向を示した。

また、今シーズンから独占放送権を獲得したDAZNに関しては「J3リーグまで全試合を生中継し、試合後でもすぐに見られることから選手たちからも好評だった」とプレーヤー目線でも新しい波を生み出していたことを明らかにした。

続いてマイクを握った村井チェアマンは入場者数の推移やファンの観戦頻度、DAZN導入に関する効果について説明した。

平均観客動員は1万8,883人で前年比5.1%アップ。観戦者分析では年間観戦頻度が16回以上である“コア層”が最も多い37.4%を占め、続いて11〜15回が10.8%、6〜10回が17.6%とリピーターの比率が高くなった一方、昨年まで1年ごとに上がり続けてきた観戦者の平均年齢は41.7歳と前年比+0.1歳にとどまった。

また、同誌ではDAZNによる試合配信と視聴傾向も分析。視聴環境は複数のデバイス(パソコン、モバイル、テレビ)を利用している人が54%と最も多かった。

また、Jリーグ関連コンテンツをライブ視聴したことのある人は94%、見逃し配信で見たことのある人も90%に上った。見逃し配信でもフルマッチ観戦する人が93%を数える結果となった。

明治安田生命J1リーグの視聴経験者が93%を記録したが、J2も73%、J3は41%の数字を残し、複数のリーグを視聴すると回答した人も71%という結果になった。

この『PUB Report』はオープンかつフェアな情報開示を目的として2015年冬に創刊され、毎年発行されてきた。今シーズンは12月3日に公式戦全日程を終え、年内に発表したいという思いから突貫作業で完成させたという。

なお、タイトルにある『PUB』とは、Jリーグに関わるすべての人が「参加=Participate」して、「理解=Undersdtand」して、「ともにつくる=Build」の頭文字を取ったもの。シーズンをしっかりと振り返りながらJリーグが掲げる成長方針の道筋と到達度を再認識し、成長の歩みを確かなものにしていく狙いが込められている。

12/21(木) 20:34配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171221-00000025-goal-socc

写真
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