一方のDeNAは、当初、ベイスターズと同じ横浜圏内にあるBリーグの横浜ビー・コルセアーズに興味を示し、こちらに経営権の譲渡を持ちかけていた。だが、その話が9月上旬に潰れたため急遽方針を転換した。
  キュレーションサイトの問題で大きな企業ダメージを受けたDeNAは、ベイスターズの成功からスポーツ事業を中核におく企業経営方針に転換しており、さらにスポーツの新規事業を進める必要に迫られていた。
鳴り物入りで始まったプロバスケットのBリーグは魅力的だったようである。

 ただDeNAの川崎買収には少々違和感もある。
 この日の会見に出席した横浜DeNAの社長で、DeNAの執行役員、スポーツ事業本部長も兼ねる岡村信悟氏は、DeNAが保有する様々なスポーツ事業が横浜という地域の「ソフトインフラ」となり、
人と人を結びつけ、それが新しい街作りにつながり産業創出をしていくという「横浜スポーツタウン構想」を提唱していた。

 それならば川崎でなく、当初買収に動いた横浜のチームであるべきで整合性に欠ける。
岡村社長は、この日、その点について「ベイスターズとサンダースは同じ神奈川でシナジー効果はある。横浜ビー・コルセアーズとも、これまで共同でやってきている。これからもそうありたい」と苦しい弁明をしていた。